オリ復帰の平野恵 猫の目ポジション辞さず 二塁でも外野でも

[ 2013年1月14日 06:00 ]

古巣・オリックスのユニホームに袖を通しポーズを決める平野恵

 阪神からフリーエージェント(FA)権を行使してオリックスに移籍した平野恵一内野手(33)が13日、神戸市内で入団会見を行った。背番号は阪神でも付けていた5に決定。ポジションについては「チームのために」と二塁手に固執せず、外野手もこなす考えで、05年に亡くなった仰木彬さんの座右の銘「信汗不乱(しんかんふらん)」を使い全力プレーを誓った。

 スーツに身を包み、かしこまった表情の平野恵が会見でしみじみと口を開いた。「ドラフトで獲っていただいた球団。恩返しができていないので恩返しがしたい」。02年にプロ野球選手としてスタートしたオリックスに、出戻りするのは決意と覚悟がいる。それは守備位置に関する話題にも出ていた。

 本来は二塁手が本職だが、阪神時代は外野手との併用が多くなった。今回は出場機会を求めてのFA宣言だったが、平野恵は「ポジションにこだわりはない」と断言。「チームがどういう自分を期待してくれているか。自分がどういう仕事をしなければいけないのか考えたい」と、白紙の状態から森脇監督の指示に従う考えを見せた。

 心には、05年に亡くなった仰木彬元監督の意志があった。入団が決まった昨年末に仰木元監督の座右の銘を使い、「信汗不乱(しんかんふらん)の精神で頑張る」とコメント。自分が汗してつかんだものを信じよ、との意味だが、「ぼくの中では心汗不乱です。亡くなった仰木さんの心も引き継いで、頑張りたいという意味で」と明かした。

 試合ごとに打順を替えた仰木元監督の采配は「猫の目打線」とも言われた。平野恵にしてみれば「猫の目ポジション」も辞さない考えで、二塁手と外野手の併用もあり得る。すべてはオリックスの黄金期を取り戻すため、「チームのために」という強い意志だった。

 個人成績にはこだわらない。「自分はチームの成績が良ければ評価される立場」と、目標設定は拒んだ。すでに恒例の巨人・小笠原との合同自主トレも断りを入れている。「小笠原さんの邪魔をしたくないので」と言うが、戦いに向かう自らの決意の表れでもあった。

 ▽仰木監督と猫の目打線 94年、オリックス監督に就任した仰木監督は、シーズン130試合を121通りのオーダーで戦い2位に。試合ごとに打順がコロコロと変わる様から名付けられた「猫の目打線」を駆使して95年リーグV、96年には19年ぶりの日本一に導いた。4年ぶりに指揮を執った05年も136試合で124通りのオーダー。仰木監督以降もチームのオーダーは毎年100通り以上と「猫の目」を踏襲しており、昨季は144試合で117通りだった。

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2013年1月14日のニュース