楽天ドラ1森“マー君部屋”で「自分も田中さんのように」

[ 2013年1月11日 06:00 ]

「田中部屋」に入った楽天の森

 宮城県仙台市内の泉犬鷲寮に楽天のドラフト1位・森雄大投手(18=東福岡)が10日、入寮すると大きなサプライズが待っていた。プレゼントは2階の10号室。そこはエースの田中が09年まで使用し、昨年までの3年間封印されていた「出世部屋」だった。

 「田中さんの後に誰も入っていなかったと聞いてうれしい。それだけ期待されていると思うし、出世部屋だと思うので、自分も田中さんのようにならないといけないです」。憧れの先輩も過ごした空間に、ベッドや生活用品を運び入れた森は表情を引き締めた。球団関係者は「球団としても“特別な部屋”という意識がある。森くんには期待しています」と、最速148キロ左腕への期待は大きい。

 将来的には、田中のように日本を代表する投手になれる逸材だ。長い手足を生かしたしなやかなフォームから、鋭い腕の振りが持ち味。11勝を挙げ新人王を獲得した田中のように1年目から先発ローテーションに定着する可能性もある。星野監督は「(阪神・藤浪、日本ハム・大谷の)2人よりも1軍で投げるのは早いのではないか」と高く評価する。

 首脳陣は高卒新人に無理はさせない方針だが、昨季は釜田が5月下旬から先発枠に入って7勝を挙げた。左腕不足というチーム事情も追い風となりそうだ。森にとって、田中と接する時間は決して多くない。田中は昨年12月に行われた契約更改交渉の会見で、将来的にメジャーに挑戦したい希望を持っていることを表明した。早ければ今オフにポスティング・システム(入札制度)を利用して米球団に移籍する。早期に1軍昇格しなければ、時間を共有できるチャンスも減る。

 12日からはKスタ宮城で新人合同自主トレが始まる。「田中さんは身近にいる素晴らしい目標。1軍に上がったら、体調管理や体づくりのことを聞いてみたい」。田中の背中を追いかける森の旅が、もうすぐスタートする。

 【球界出世部屋アラカルト】

 ☆巨人 93年から松井が2年間生活した「410号室」が有名。坂本、大田らも入寮時に使用。松井は3年目の95年にバス、トイレ完備の「201号室」に移動。その後は98年に高橋由、99年に上原が同部屋に入寮。ともに出世部屋と言われる。

 ☆西武 秋山、清原、松井稼、松坂らが入居した「12号室」が出世部屋と呼ばれ、最近では涌井が05年から2年間使用。鉄筋平屋建ての2軍寮内にあり、2部屋をつなげた13畳の広さに加え、備え付けベッドや床暖房も完備。

 ☆日本ハム ダルビッシュが05~08年までの4年間を過ごした「404号室」。5階建ての4階部分にあり、昨年2月まではダルビッシュが荷物を置いていた。過去には中田、斎藤の入居も検討されたが実現せず、今年からドラフト1位・大谷が使用する。

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