大谷「本気で二刀流をやる」投げて160キロ 打って160メートル弾狙う

[ 2013年1月11日 06:00 ]

引き締まった表情で打撃練習に汗を流す日本ハム・大谷

 日本ハムのドラフト1位・大谷翔平投手(18=花巻東)が10日、プロ入り後、初めて打撃練習を公開。千葉県鎌ケ谷市の室内練習場でのティー打撃で鋭い打球音を響かせた。

 二刀流を目指す黄金ルーキーは打者として鎌ケ谷スタジアム右翼後方にあるケン・グリフィー氏(43=元マリナーズ)の場外弾記念碑を越える特大アーチを目標に設定。最速160キロ右腕は、打っても160メートル弾を狙う。

 グリップが細めの木製バットから快音が響く。午後1時すぎ、勇翔寮に隣接する室内練習場で行ったティー打撃。指を1本分短く握った大谷は、気持ち良さそうに113スイングした。

 「高校時代も木製で練習していたし、いい感じでできている。(グリップエンドが)タイ・カッブみたいな感じなので、少し余らせて持とうかと思います」。入寮した9日も、夜間に約1時間のティー打撃を敢行した。二刀流の調整は着々と進んでいる。

 鎌ケ谷スタジアムの右翼場外に記念碑がある。97年に同球場で開催された少年野球教室に来日中のグリフィー氏が特別参加。フリー打撃を披露し150メートル弾を運んだ。場外にそびえ立つ崖の上の茂みに着弾し、その場所に記念碑が建立されている。

 伝説のスラッガーを超えたい。「まずは木製に慣れてから」と、大谷は足元を見つめるが、夢は抑えられない。「(記念碑を越える打球を)木製でもしっかりできるようにやっていきたい」。将来のメジャー挑戦を夢見る大谷にとって同じ左打者で、メジャー通算630本塁打のグリフィー氏は特別な存在だ。

 印象について「凄い選手」と連呼するが、それを上回る160メートル弾をぶち込めば大谷の記念碑が建つことも間違いない。昨年5月の春季岩手大会、遠野緑峰との2回戦(花巻)で日本ハム・今成泰章スカウトらが視察する前で、大谷は場外弾2発を放った。高校通算56本塁打のルーキーは「金属バットでは3本くらい(場外弾は)ある」と、遠くへ飛ばす天性の才能も一級品だ。

 午前中は約60メートルのキャッチボールで160キロ右腕らしい浮き上がるようなボールも見せた。一緒に練習したドラフト2位・森本(高岡一)は「大谷は本気で二刀流をやるって言ってました」と明かす。11日には栗山監督も視察する中で新人合同自主トレが始まる。「自分のやれることをしっかりやっていく」。究極の二刀流「ダブル160」を目指せるのは、大谷しかいない。

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