異例の直々歓迎 阪神オーナー、福留に「来てもらってありがとう」

[ 2013年1月6日 10:39 ]

和田監督(左)と背番号8のユニホームを披露する福留

 感謝の思いを、どうしても自ら伝えたかった。5日に大阪市内のホテルで行われた福留孝介外野手(35)の阪神入団会見。同じころ、同市内で関係各所のあいさつ回りをしていた坂井信也オーナー(64)は、激務の合間をぬって会場へ駆けつけた。

 「“来てもらってありがとう”と伝えました。あとはアメリカ時代の話とか。頼もしい感じはしました」

 昨年12月末まで及んだ、DeNAとの争奪戦。最後は阪神を選んでくれたことに、球団のトップとして礼を尽くした。前日4日に示唆していたように、福留本人との直接会談も実現。近年の補強選手では城島、小林宏と入団当日に対面した例があったが、今オフにこうした公の動きを見せたのは初で、満面の笑みで帰りの車へ乗り込んだ。

 現場のトップである和田豊監督(50)も、元メジャーリーガーの加入に大きな手応えを感じ取った。何より託したい思いは、打倒巨人。会見に同席した指揮官は力強い口調で、伝統の一戦でのリベンジを誓った。

 「昨年巨人を走らせてしまったのは、タイガースによるところもあった。打倒巨人。戦う戦力がやっと揃いました」

 対戦成績5勝15敗4分けに終わった昨季は、ことごとく接戦を落とした。得点力不足だった打線に目が行きがちだが、外野の守備力でおくれをとったのもまた事実。そのウイークポイントを埋めるのが“右翼手・福留”だ。

 「自分の構想として守備力を期待したい。彼の肩。中日時代はわざと走らせておいて、刺されることもあったから」

 広い甲子園を本拠地とする阪神にあって、センターラインを中心とする守りの強化は指揮官の目指すところであった。思い描いた補強は、ひとまず完成。逆襲への下地は固まりつつある。

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2013年1月6日のニュース