武田翔太 「いかに力を抜くか」コツ覚えて開花した19歳

[ 2012年12月25日 12:15 ]

7月7日、プロ初勝利を挙げたソフトバンク・武田

野球人 ソフトバンク・武田翔太(上)

 七夕の札幌ドーム。ルーキー・武田がデビュー戦で日本ハム打線を手玉に取った。先頭田中への初球、151キロ直球に3万人を超す観衆がどよめく。続く小谷野は、この日MAXの152キロで左飛に打ち取った。

 「もともと緊張しないタイプなんですが、思ったほど緊張しなかった。直球はデビュー直後が一番走っていましたね」

 6回をわずか1安打、93球で無失点。高卒新人の初登板初先発初勝利は球団では31年ぶりの快挙だった。しかも、のちにパ・リーグMVPに輝く吉川に投げ勝った。

 初実戦は4月5日、練習試合の沖データコンピュータ教育学院戦(雁の巣)で1回を無安打2三振。その後、3軍、2軍とステップを踏むが「読み合いができるから、ベテラン選手の方が投げやすいのは確か。向かっていけますしね」と話すように、相手が強くなるほど内容も良くなっていった。

 そんなドラフト1位右腕が飛躍へのきっかけをつかんだのが5月に行われた3軍の韓国遠征だった。「勝敗が関係ないから、いろいろ試せてよかった」と振り返る。同24日のLG戦(九里)で先発。「ムキになって力で押したら、どこまで打たれるのかというぐらい打たれた」と5回を5安打5四死球4失点と大乱調だったのだが、転んでもただでは起きなかった。

 「ふと思い、途中からセットポジションに。力を抜いて投げたら意外にいけた。打者が詰まっている感じだった」

 このあたりが並の19歳ではない。パワフルな韓国の打者を相手に力で押したい気持ちを抑え、試合中にフォームを変更。これが奏功した。続く30日のSK戦(仁川)でも試すと、ここでも好投。以後、セットポジションを通すことになる。自己最速の154キロを出したのも、この韓国遠征だった。

 手応えをつかんだ脱力投球。その後も「いかに力を抜くか」が大きなテーマとなった。投げる前に右肩を大きく回して力を抜くような動作がルーティンとなったが、これも巨人・杉内の動きをまねたもの。このあたりの順応性が武田の真骨頂といえる。

 「9月の9連戦あたりにはチャンスがくるとイメージしていました。3本柱(杉内、和田、ホールトン)が抜けたこともあって。実際はそれより2カ月早かったんですが…」。7月6日のブルペンでも驚異の順応性が発揮され、衝撃のデビュー戦につながっていった。

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