2年契約合意のイチロー ヤンキースで殿堂入り見えた

[ 2012年12月15日 06:00 ]

来季もピンストライプで戦うことになったイチロー

 ヤンキースからFAとなっていたイチロー外野手(39)が14日(日本時間同日)、ヤ軍と2年契約で合意した。米CBSスポーツなどが報じた。契約は2年総額1300万ドル(約10億9200万円)とみられ、身体検査後に正式発表される。来年10月に40歳を迎える野手としては破格の大型契約で、イチローのヤ軍に対する愛着が残留の決め手となった。

 イチローは最後まで「ヤンキース愛」を貫いた。米スポーツ専門局ESPN(電子版)は「イチローはヤンキースでのプレーを非常に楽しんだ。だからこの先の2年はおよそ200万ドル(約1億6800万円)を損することになる」と報じた。

 イチローをめぐってはフィリーズが2年総額1400万ドル(約11億7600万円)でオファー。今季ワールドシリーズを制し、最近3年で2度も世界一に輝いたジャイアンツはフ軍を上回る2年総額1500万ドル(約12億6000万円)を提示した。単年契約にこだわっていたヤ軍は、当初1年700万ドル(約5億8800万円)程度を検討。しかし他球団の条件と、複数年を希望したとみられるイチロー側の希望をくみ取り、年俸単価を下げて2年1300万ドルに落ち着いたようだ。

 好条件よりもヤ軍残留を選んだ背景には、ヤ軍でしか味わえない特別な経験があるからだ。マリナーズ一筋で迎えた大リーグ12年目の今季は不振にあえぎ、新しい環境を求めて7月23日に交換トレードでヤ軍に移籍。当初は定位置を与えられなかったが、名門軍団で多くの刺激を受け、完全復活。移籍後67試合で打率・322、リーグ優勝決定シリーズでも打率・353と活躍した。シーズン終了後には「僕がアメリカに来て理想としていたものがここにある。ここでしか味わえないものは確実に存在する」とヤ軍への強い愛着を口にした。条件でフ軍、ジ軍を下回るヤ軍残留の決め手となった。

 一方のヤ軍にとって、来年10月に40歳となるイチローとの2年契約はリスクが伴うものだった。年齢による球威の衰えを技術で補える投手と違い、俊足系の野手は一般的に年齢に伴って脚力に衰えが出てくる。だが、ヤ軍はイチローにまだ衰えは見られないと判断。残り116本となった日米通算4000安打の来季中の達成。さらに2年後には残り394本で殿堂入りの「当確ライン」とされる米通算3000安打達成も期待を寄せている。2つの大台到達で見込める日本企業からの投資も、残留オファーを決断させることになった。

 イチローは伝統のピンストライプを身にまとい、日米4000安打、米3000安打、そして悲願の世界一へ再スタートを切る。

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