プロアマ全面解禁へ高野連歩み寄り「高校生たちの目が輝いていた」

[ 2012年12月9日 06:00 ]

動作を交え指導する阪神・伊藤隼

 プロ野球の現役選手が高校球児に技術指導などを行うシンポジウム「夢の向こうに」が8日、鳥取県の米子産業体育館で行われた。ともにユニホームを着用してプロが高校球児に技術指導を行うのは、1月に続き今回で2度目。プロアマ問題については、6日に日本プロ野球選手会の新井貴浩前会長(35=阪神)が、学生野球資格取得に対する条件緩和の提案に明確な回答がなかったとして、日本高野連の対応を批判したばかりだが、高野連の竹中雅彦参事(57)はプロアマ問題の解決に向け、前向きな姿勢を示した。

 憧れのプロ野球選手から指導を受けた球児の目は輝いていた。わずか4時間。それも体育館ではあったが夢のような時間だった。その様子を見守った高野連の竹中参事は「高校生たちの目が輝いていた。この事実はプロアマ問題の解決に向けた判断の大きな要因になるだろう。問題解決に向けて前に進んでいかなければいけない」と話した。

 6日の日本プロ野球選手会の定期大会で、新井前会長が高野連を批判した。今年2月に元プロが学生の指導者になるための規定などをプロアマ間で話し合う「学生野球資格に関する協議会」が発足。しかし思うように議論が進まず、一定の研修を受ければ臨時コーチなどで指導ができるように、という選手会の提案に対して明確な回答がなかったためだった。

 これに対して竹中参事は「新井選手の発言はわれわれの返答が遅れたことに始まっていることは理解している」とした上で「学校は教育現場。新井君の言うように、プロ側に現場を知ってもらうための研修制度のルールづくりも検討していければ」と新制度案の策定に前向きな考えを示した。

 参加したプロ野球選手にとっても意義深い時間だった。ロッテ・藤岡が「いつか母校の後輩を普通に教えてあげられるようになれば」と言えば、阪神・伊藤隼も「(規制が)緩和されることを祈っている」と口にした。

 03年に始まった「夢の向こうに」は全国を巡り終え、今年1月にはテストケースとして宮崎県で初めてグラウンドでの指導が実現。今回、体育館で行われたのは寒冷地での屋内指導のテストという位置づけだった。竹中参事は「テストケースはこれで終わりだが、成功を収めたと言っていい」と話した。来年以降のやり方については、今後検討される。

 ▽夢の向こうに 学生野球憲章に明記されていたプロ野球選手による高校球児への指導禁止を和らげようと高野連、日本野球機構(NPB)、プロ野球選手会が協力し、シンポジウムとして03年12月26日に大阪市内で初開催された。「夢の向こうに」は03年に選手会が製作した高校球児向けのメッセージ集のタイトル。シンポジウム内限定で直接指導が認められるなど、プロアマ交流を図った。選手がステージ上で指導を行う形を取っていたが、昨年12月で47都道府県を巡回し終えたこともあり、今年からともにユニホームを着用して実技指導が行われるようになった。

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