「復興助けたい」大工の父と移住 1年・小野寺大希「野球部は優しかった」

[ 2012年12月5日 06:00 ]

休憩中にバナナをほおばる小野寺

復興へのプレーボール特別編

 高田高校野球部で、都会っ子が奮闘している。三鷹市立第六中学を卒業した1年生・小野寺大希だ。都立高校に進路を絞っていた昨年。父・伸吾さんから言われた。「生まれ故郷の岩手で復興の手助けをしたい」。大工として一家を支えてきた父の思いに、異論はなかった。

 進路は迷わず高田高校を選んだ。「岩手の公立で野球が一番強いと思ったので」。父の母校。家庭の事情で父は高校野球を断念していただけに「僕がレギュラーを獲って父の分まで頑張りたい」と野球部の門を叩いた。

 周囲はみんな、地元出身者。1人だけ東京人ということで、不安は大きかった。体験入部の際には誰とも話せなかった。だが、野球部員は温かかった。数日後、同級生は積極的に声を掛けてきた。先輩も同じだった。「ここの野球部はみんな仲がいいし、優しかった。全員と友達になれた」。すぐにチームに溶け込んだ。岩手の言葉は聞き取れないことが多かったが、その都度、意味を尋ねた。今では「~っぺ」という方言が、自然と口から出るようになった。

 幼少時から父には「私生活から人に感謝しろ。心から感謝することを忘れるな」と言われ続けてきた。100キロウオークでは、その思いを胸に、ゴミを拾いながら完歩した。ゴール直後、「仲間にも、地元の方にも、体をケアしてくれたスタッフの方にも、感謝したい」と心から言えた。

 打撃が売りの外野手。7月に新チームが始動し、秋にはAチームに上がった。「震災がなければ、ここには来ていなかった。チームのみんなで勝ちたい」。越境入学した都会っ子は、目を輝かせた。

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