浩二監督 キャンプ行脚はマー君から「意気に感じてくれる投手」

[ 2012年12月3日 06:00 ]

福島で行われた野球教室で、熱心に子供たちを指導する楽天・田中

 ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で3連覇を目指す侍ジャパンの山本浩二監督(66)が来年2月1日から予定しているキャンプ行脚を楽天からスタートさせることが2日、分かった。

 エースに指名した田中将大投手(24)の状態を確かめるのが目的で、指揮官の期待の表れ。その後は2月15日の宮崎合宿直前まで、全12球団を回る。注目の日本代表候補選手34人は、4日に正式発表される。

 山本監督のキャンプ行脚は久米島からスタートする。「楽天から行きます。田中を見たい。敬意を表してというか、そういうものも意気に感じてくれる投手だろう」ときっぱり。最初に見たかったのは、やはり侍ジャパンのエースと期待する男だった。

 既に田中本人には代表メンバー入りを通達するとともに、2月1日のキャンプ初日に視察することも伝えた。その際に「気持ちを感じた」と言う。山本監督は1月中旬に、キャプテンに任命した阿部らが自主トレを行うグアムにも足を運ぶ予定だが、それは「あくまで激励をかねて」のもの。侍ジャパンの監督として、トップにエース右腕をチェックすることには大きな意味がある。

 ダルビッシュ、黒田、岩隈の日本人大リーガーの先発投手3人が相次いで出場を辞退した。山本監督は「田中がチームの核になる。先発、そして救援もできる」と早々とエースに指名した。1次ラウンドでは開幕となる3月2日のブラジル戦(ヤフードーム)に先発することが濃厚。2次ラウンドまでは先発を務め、準決勝以降は守護神で起用するフル回転構想もある。指揮官の掲げるスモール・ベースボール実現には、投手が計算通りに働く必要があり、その大黒柱となるのが田中だ。右腕の調整具合は侍ジャパンの大会3連覇の命運を握る。楽天勢では松井、聖沢も候補入りしており、東尾投手総合コーチらコーチ陣とともに状態をチェックする予定だ。

 田中も「2月1日にブルペンに入ることは毎年やっている。そこは変わらない」と話す。「今回は日本の国内勢だけでやる。それでも“ここまでできるんだ”というのを見せたい」という決意を球に込め、山本監督の前で投球を披露する。

続きを表示

2012年12月3日のニュース