嶋 20年五輪競技復活へ底力「1人でも野球に興味を」

[ 2012年12月3日 06:00 ]

始球式の球に飛びつく嶋(右端)。新井貴(中央)は笑顔で空振り

 日本プロ野球選手会は2日、「ベースボール・クリスマス2012IN宮城」(協力・スポーツニッポン新聞社など)をKスタ宮城で開催した。12球団26人の現役選手、OB、審判員らが企画し、キャッチボールイベントに出場した中学生40チームを含む7000人が参加。次期選手会長に就任予定の楽天・嶋基宏捕手(27)は、2020年五輪での野球競技復帰を一つの目標に設定するとともに、東日本大震災からの復興支援の継続を訴えた。

 嶋の目は野球の五輪競技復帰を見据えていた。「簡単に復活するとは思わないが、こういうイベントを続けることで一人でも野球に興味を持っていただければと思う」。野球は08年の北京五輪を最後に公式競技から外れている。東京が開催を目指す2020年五輪までアピールを続ける重要性を訴えた。

 6日の選手会総会で新選手会長に就任する。昨年3月の東日本大震災後の本拠地開幕戦で「見せましょう、野球の底力を」と訴えた嶋の思いは、確実に形となっている。復興支援も目的にKスタ宮城で開催された今回のイベント参加者は7000人。福島県いわき市で行われた昨年の5000人を上回った。

 「1度のイベントで復興できるわけがない。でもコツコツ続けることは野球界にとってもいいこと」。この日は同じ仙台市内でロンドン五輪出場選手による感謝のパレードが行われ、沿道に約4万8000人の大観衆を集めた。あらためて五輪人気を目の当たりにした。復興支援のリーダーシップを取るには、野球が人気競技であり続けなければいけない。そのためにも五輪競技復帰は譲れない。

 日本が3連覇を目指す来年3月のWBCも同じ意味を持つ。「メジャーリーガーが出ないが、一生懸命戦う姿を見せることでおのずと結果が出る」。被災地の復興と球界の未来。嶋の底力が、その大役を担う。

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