イチロー WBC辞退は事実上の代表引退「3回目は考えられない」

[ 2012年11月20日 06:00 ]

09年、WBC連覇を果たしVサインで喜ぶイチロー

 イチローが19日までに出場辞退をNPBに申し入れて、了承された。過去2大会はチームの中心として日本を2連覇に導いた大黒柱は、辞退の理由を明かした。

 「今回もWBC日本代表として声を掛けていただいたことに感謝しています。ただ、僕の中で09年の第2回大会を終えた時点で、3回目の出場は考えられませんでした。きょうまでその気持ちが変わることはなく、こういう形になりました」

 その第2回大会では、韓国との決勝で延長10回に勝ち越し適時打を放った。2連覇達成後の会見では「4年後は生きているかも分からないですから」と話題をそらした。その当時からイチローの心は決まっていた。イチローにとって、WBCは命をかけた戦いだった。数々の大リーグ記録を樹立した男にとって、代表ではグラウンド内外で「No・1」である必要があった。前回大会後に「想像以上の苦しみ、つらさ、痛覚では感じない痛みを経験した」とも言った。大会後は胃潰瘍で、メジャー9年目で初の故障者リスト(DL)入り。開幕から8試合欠場するなど代償は大きかった。

 さらに、今季はプロ野球人生初のFAで、所属球団も決まっていない。ヤンキースに残留したとしても、キャンプは初参加だ。自分の立ち位置を確立する必要もあり、マリナーズの中心選手だった過去2大会とは事情が違う。以前からの気持ちに、直近の事情も重なったとみられる。

 イチローに近い関係者によると、今回の事態に関して、迷いは一切なかったという。代表ではすべてを出し切った。イチローの事実上の代表引退だった。

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2012年11月20日のニュース