球児 メジャー球団選びは複数年&起用法最優先

[ 2012年11月20日 06:00 ]

代理人の団野村氏(左)とともに帰国した藤川

 阪神から海外フリーエージェント(FA)権を行使しメジャー移籍を目指す藤川球児投手(32)が19日、成田空港着の航空機で米ロサンゼルスから帰国した。

 藤川は14日からの4日間でメジャー5球団の施設を見学。各球団首脳とも面談し、本格交渉への手応えを口にした。通算220セーブを挙げた右腕には、エンゼルスやダイヤモンドバックスなど視察した5球団などで争奪戦が繰り広げられ、藤川の決断に注目が集まる。

 夢と希望あふれる未来――。到着ゲートから出てきた藤川の表情に長旅での疲労の色はなく、晴れやかだった。悩みに悩んで決めたFA宣言後、初めて報道陣に対応した藤川は、今後の交渉へ手応えを見せた。

 「いろいろな環境施設を見させてもらった。どの球団も全て環境を整えてくれると言ってくれた。準備段階なので、これからがスタート。あとは代理人に任せて、契約していただけるところがあれば頑張りたい」

 14日のダイヤモンドバックスから始まった5球団の視察。きっかけはメジャー球団側の「お会いしたい」という要望からだった。複数球団からの熱意に応えるために渡米を決意。4日間で回る強行日程で移動距離は約9000キロにのぼったが、メジャーへの夢がかなう第一歩。気持ちは自然と高揚していた。本命候補の一つとみられるエンゼルスは、マイク・ソーシア監督まで駆け付けるVIP待遇。「非常に感動しましたね」と笑みがこぼれるのも必然だった。

 本格交渉はこれからだが、藤川サイドは複数年契約と、抑えかセットアッパーで起用する球団を最優先したい意向だ。同行していた代理人の団野村氏は「優勝を目指すのは大事な要素」と、世界一を狙える戦力も判断材料である。「環境が違うのでボール(メジャー公式球)は肌身離さず持っていた」と既に来季に向けた準備を開始した藤川。活躍へのイメージはできた。あとは代理人に任せて吉報を待つ。 

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2012年11月20日のニュース