キューバ 零敗も日本流で打倒日本誓う 指揮官「明日も練習」

[ 2012年11月17日 06:00 ]

<日本・キューバ>マウンドでゲキを飛ばすメサ監督(右端)

2012侍ジャパンマッチ2012 キューバ代表0―2日本代表

(11月16日 ヤフーD)
 「赤い稲妻」の異名をとるキューバ打線は最後まで火を噴かなかった。単打3本で零敗。三塁も踏めなかった。

 最後の打者となった主将グリエルは「攻撃力が発揮できなかった。来年3月までに状態を上げる」と話した。03年からの代表で「日本に雪辱したい」。09年WBCで2度とも零敗を喫した悔しさを忘れていない。国内リーグは今月25日開幕で調整途中。10月のメキシコ遠征、今月の台湾遠征計8試合で66三振。この夜も9三振と粗さが目立つ。

 ビクトル・メサ監督は「日本の見事な勝利だった」と笑ってみせた。0―0の初回2死二塁で4番・岡田に敬遠を指示。「私のよく使う手だ。うまく0点で乗り切れた」と勝利への執着心が見えた。

 「このスコアでわれわれが勝ちたかった」は本音だ。長打頼みから守り重視へ。アルエバルエナの曲芸的な2併殺、打者ごとの守備位置変更などで堅守は垣間見えた。

 帰り際、指揮官は「あすも練習だ。キューバの習慣を変えるんだ」と言った。96~99年、社会人シダックスなどに在籍。日本流も取り入れ、打倒日本を誓った。

 【キューバの野球事情】

 国内リーグ、セリエ・ナシオナル・デ・ベイスボル(SNB)はキューバ革命でプロリーグ解散後の1961年創設。毎年11月から翌年4月まで全16球団が各90試合戦い、プレーオフで優勝を争う。選手は国家公務員として給料を得る。前国家元首フィデル・カストロ氏は野球振興に力を入れており、国技とされる。

 また2002年からスペル・リガ(スーパーリーグ)を創設。毎年5~7月、SNBで活躍した選手が集まり、5球団で各28試合を戦う。ここで国家代表が選出され、国際試合に出場する。

 代表は国際野球連盟(IBAF)ランク1位。「赤い稲妻」「赤い軍団」の異名をとる。五輪5大会で金メダル3度、銀2度。ワールドカップ(W杯)36大会中25度優勝、インターコンチネンタルカップ(IC杯)16大会中10度優勝。ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)では06年準優勝。09年は日本に2度零敗を喫し、58年ぶりに主要国際大会での決勝進出を逃した。

 90年代には日本への選手派遣が認められたが、あくまで特例。亡命で大リーグ入りする選手が後を絶たない現実もある。

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2012年11月17日のニュース