日本ハム 大谷両親説得!資料で高卒メジャーの失敗例提示

[ 2012年11月11日 06:00 ]

交渉を終えてホテルを出る日本ハム・山田GM(左)と父・大谷徹さん

 大リーグ挑戦を表明している花巻東・大谷翔平投手(18)をドラフト1位指名した日本ハムの山田正雄GMらが10日、岩手県花巻市内のホテルで両親と入団交渉を行った。

 山田GMが持参したのは、球団挙げて1週間かけて作成した資料。「大谷翔平君 夢への道しるべ~日本スポーツにおける若年期海外進出の考察~」と題した冊子はA4判25ページ、さらに別紙5枚にも及んだ。

 「若いうちからメジャーへ挑戦することは統計的にも大変だよと説明しました」。同GMは約1時間半の交渉を振り返った。花巻市内のホテルの一室。プロジェクターまで使用して大渕隆アマスカウトディレクターが熱弁を振るったのは、

 (1)大谷選手の夢の確認 トップの世界で、長期にわたって活躍したいということの確認。

 (2)日本野球と韓国野球、メジャー挑戦の実態 過去の成功、失敗例など実例を列挙。

 (3)日本スポーツにおける競技別海外進出傾向 若いうちから海外へ渡るメリットについて卓球、スキーなど他競技と比較。

 (4)世界で戦うための日本人選手の手法 いきなり世界へ飛び込むより、形をつくってから海を渡ることが成功への近道――の4点だ。

 大谷がメジャー挑戦を表明した10月21日にも、「言葉や文化の違いで、メンタル的に心配。私たちは国内でプレーしてほしかった」と複雑な表情を浮かべた父・徹さん(50)は、「大変興味深かった。持ち帰って本人に伝えたい」と話した。この資料を見て大谷の気持ちがどう動くのか。「逆転入団」への次の一歩はそこにかかっている。

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