広島 ドラ3上本と合意!期待のキムタク背番号「0」

[ 2012年11月9日 06:00 ]

仮契約を無事終えた広島3位指名の上本(中)は、苑田スカウト部長(左)と尾形スカウトと握手

 広島からドラフト3位指名を受けた上本崇司内野手(22=明大)が8日、東京都内のホテルで入団交渉に臨み、契約金7500万円、年俸1000万円(金額は推定)で合意した。背番号は故木村拓也内野手(享年37)が広島、巨人で背負った「0」に決定。開幕1軍を狙う即戦力ルーキーは「木村さんのような、相手に嫌がられる選手になりたい」と誓った。

【交渉状況 上本崇司】

 ドタバタの入団交渉だった。担当の苑田スカウト部長と尾形スカウトが同席し、午後4時に始まった話し合い。異変は開始から20分後に起きた。尾形スカウトが「ちょっとすいません」と苦笑いしつつ、上本とともにホテルを出る。再び姿を見せたのは同5時10分。開始から交渉成立までには都合2時間を要した。

 「印鑑を忘れてしまったんです。押す時に気付いて…」。照れ笑いを浮かべながら、この日の主役が事情を明かす。交渉場所の武蔵野市吉祥寺のホテルから、自宅のある調布市まで片道約20分。「きょうは準備段階から緊張していたので…」。試合でも「第1打席は緊張で足が震える」というルーキーは、バツが悪そうにそう説明した。

 だからと言って、上本の才能が色あせるものではない。地元・福山出身で、広陵高から明大に進んだ逸材。「小さいころからファンだった」というカープ入団が決まり、「実感が湧いてきた。厳しい練習をするチーム。自分にはプラスになる」と抱負を口にした。

 背番号は「0」に決まった。「ひとケタをいただけるのはビックリ」。期待の大きさを表すその数字。印象に残る選手には「木村拓也さん」と即答した。しぶとい打撃と内外野どこでも守るユーティリティー性、ムードメーカーとしての存在感などに世評を得た名バイプレーヤー。上本は言う。

 「ボクも守備と走塁にこだわりがあるし、(周囲を)盛り上げることができる。似ていると思います。木村さんのようにしつこく、相手に嫌がられる選手になりたい」

 セカンドで勝負するという守備、50メートルを5秒9で走る足は既にプロの域にある。「打撃が課題」を自認する22歳が、目指す選手像に背番号「0」の大先輩・木村拓の名前を挙げるのは必然だった。

 「新人が0を付けるのは初めてじゃないかな。彼の野球に合いそう」。苑田スカウト部長はそう話しつつ「一番の長所は負けず嫌いの性格。センスがあるし、リーダーになれる素養もある。1年目から定位置争いをしてほしい」と期待した。

 無論、上本もそのつもりだ。「守備走塁をアピールし、できれば開幕1軍に入りたい」。地元期待の若ゴイが赤ヘル党を沸かせる日は近い。

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