栗山監督 必勝継投リレー!「北海道って良いな」

[ 2012年10月31日 06:00 ]

<日・巨>笑顔で声援に応える栗山監督

日本シリーズ第3戦 日本ハム7―3巨人

(10月30日 札幌D)
 中盤以降はレギュラーシーズン同様の1イニング1殺の必勝リレー。今シリーズ初めて勝利監督インタビューを受けた日本ハム・栗山監督は大きな息をつくと、ようやく笑みをこぼした。

 「北海道って良いな、本拠地って良いな、と思った。ファンのみなさんの気持ちが、シーズンと同じく戦う空気を出してくれた。少しでも長く皆さんに見てもらえるように頑張ります」

 5人による継投。白星をぐっと引き寄せたのは、7回に登板した石井だった。「打たせて取る投球を心掛けているからびっくりした」と自身も驚きの亀井、寺内、長野を3者連続三振。中日時代にも06、07年と2年連続で登板した日本シリーズだが、ともに1試合で1/3イニングの登板だった。5年ぶりの大舞台で「中日時代(の日本シリーズは)緊張やプレッシャーとかがあったけど、今は楽しい」。心の余裕が最高の結果を生んだ。

 今季は苦しんだ。先天性難聴の石井は、開幕こそ1軍だったが、めまいのために4カ月間も戦列を離れた。離脱直後はリハビリもできずに自宅で静養する日々。しかし「絶対に1軍の舞台に戻る」と強い気持ちを持ち続けた。8月28日に復帰すると、右打者を苦にしない左腕の存在はシーズン終盤でもチームの大きな力となった。

 CSでも2試合に登板して計1回2/3を1安打無失点。安定感は際立っていた。昨オフには10年に結婚した綾子夫人と挙式し、スペインとローマへの新婚旅行に出掛けた。スペインで観戦したバルセロナの世界一のサッカーに魅了された。「やっぱり一番はいいな」と目を輝かせていた左腕が、頂上決戦で輝いた。

 5回2失点のウルフの後を受け、6回から宮西―石井―増井―武田久がリードを守った。自慢の救援陣で4時間4分に及ぶ熱戦を制した栗山監督は試合後、すぐに気を引き締めた。「とりあえず1つ勝っただけ。これでスタート。あと2試合やれるというだけ」。打線だけでなく、投手も「つなぐ」日本ハムらしい勝ち方で、巻き返しの態勢は整った。

 ≪●●○はV率33%≫日本ハムが初勝利。シリーズで2連敗後に初勝利を挙げたケースは過去15度(●●△を含む)あって、逆転優勝は昨季のソフトバンクまで5チーム。V確率は33%になる。2連敗スタートから逆転優勝した5チームをみると全て次の試合に勝ち2勝2敗のタイに持ち込んでいる。日本ハムにとってきょうの第4戦は負けられない。

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