４番の差…４タコ中田「スイングさせてもらえなかった」

＜巨・日＞９回１死一塁、日本ハム・中田は空振りの三振に倒れる

日本シリーズ第１戦 日本ハム１―８巨人

（10月27日 東京Ｄ）
　試合終了から１時間以上もたってから、日本ハム・中田はようやく帰路についた。シーズン中からのルーティンである試合後の素振り。福良ヘッドコーチに見守られてのスイングはいつも以上に熱がこもっていた。

　「自分のスイングがしたかったけど、内海さんのコントロールが良くてスイングさせてもらえなかった。悔しい…」。前日練習の際、中田は栗山監督から「思い切っていけばいい」とアドバイスされた。４番への厳しいマークを想定した指揮官の気遣いだったが、相手エースの制球力の前にフルスイングをさせてもらえなかった。走者を置いた２打席で凡退するなど４打数無安打。２安打２打点の阿部とは対照的で４番の差が際立った。

　打線全体でもわずか３安打。初回１死一塁では杉谷が二盗に失敗した。５回無死一、二塁では４点差にもかかわらず、金子誠が送りバントを試みた。「送って流れを変えたかった」と福良ヘッドコーチ。しかし、大ベテランは失敗した揚げ句、空振り三振。拙攻の連続で持ち味のつなぐ野球を展開できなかった。

　中田は言った。「あしたはあした。一生懸命やっていきたい」。自分が打たなければ、チームに流れは来ない。それが４番の宿命。誰よりも中田自身が分かっている。