内海 今季3度目の“開幕投手”は7回無失点「完璧でした」

[ 2012年10月28日 06:00 ]

<巨・日>6回、ベンチに戻りナインとハイタッチをかわす巨人・内海

日本シリーズ第1戦 巨人8―1日本ハム

(10月27日 東京D)
 お立ち台の最後は、あの言葉だった。「あしたも勝ーつ!」。巨人・内海の絶叫が響き渡った。20日のCSファイナルS第4戦。3連敗から6回無失点の快投でチームをよみがえらせた沢村の言葉だ。初戦の重責を果たした左腕は「俺に続け!」とばかりに声を張り上げた。

 自ら「完璧でした」と振り返った魂の104球。日本ハム打線については、ソフトバンクとのCSファイナルSを収録したDVDで研究し、糸井、稲葉ら左打者には内角をチェンジアップなどで徹底的に攻めた。唯一のピンチは4点を先制した直後の5回無死一、二塁。「僕の中では1点も与えないつもりでした」とギアを上げた。金子誠を3球三振に斬ると、後続もピシャリと封じた。7回2安打無失点、無四球。中3日で登板したCSファイナルS第5戦(東京ドーム)から中5日だったが、パ・リーグ王者を寄せつけなかった。

 節目の初戦は必ずマウンドを託される。それがエースの宿命だ。しかし、レギュラーシーズン、CSファイナルSは、いずれも敗戦投手。特にCSではそこから3連敗の崖っ縁に追い込まれた。「(シーズン、CSと)初戦にいい投球ができていなかったので、何としても勝ちたかった。最後のチャンスと思っていた」。今年3 度目の「開幕投手」。負けるわけにはいかなかった。

 2年連続最多勝。誰もが認める エースに成長した。原点は10年の阪神とのCSファーストSだ。10月17日の第2戦(甲子園)に先発予定だった内海は、登板前夜に変更を告げられた。「シーズンで良い投球をしたら投げさせてもらえたはず」。同20日の中日とのファイナルS初戦(ナゴヤドーム)も中3日の東野だった。内海は第2戦に回った。このときの悔しさは今でも忘れていない。

 吉川とのエース対決に勝利。原監督も「ジャイアンツのエースとして、エースらしい投球を堂々とやってくれた」と手放しで褒めた。三度目の正直で最高の投球を見せた内海。「(次回登板は)なければいいですけど、そのつもりで備えます」。エースの言葉は頼もしかった。

 ▼巨人・川口投手総合コーチ(7回無失点の内海について)CSの投球は本人も納得がいってなかった。そこを教訓に、左にはツーシーム、右には内角直球と、インコースを投げ切った。

 ≪巨人では堀内以来42年ぶり≫内海(巨)は7回を無失点で勝利投手。シリーズ先発投手で7回以上を無失点は昨季第7戦の杉内(ソ=7回無失点)以来。巨人では高橋尚が00年ダイエー第5戦で完封勝利を挙げて以来だが、初戦に限ると70年ロッテ戦で堀内が延長11回を1―0完封して以来42年ぶりだ。これで内海は前回日本一を決めた09年日本ハム第6戦に続きシリーズ2連勝。シリーズ優勝決定試合に白星を挙げた投手が次のシリーズの初戦に勝ったのは内海が5人、6度目。巨人では初のケースになった。

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2012年10月28日のニュース