女子プロ野球 大阪 創設1年目で後期シーズン初V

[ 2012年10月25日 10:15 ]

後期シーズン初優勝を決め、福間監督を胴上げする大阪ナイン

 日本女子プロ野球リーグは24日、わかさスタジアム京都で後期のダブルヘッダー第2

試合を行い、大阪ブレイビーハニーズが2-1で京都アストドリームスを下した。大阪はこれで創設1年目にして後期シーズン初優勝を決めた。前期に優勝した京都とは11月5日に総合優勝決定戦を行う。

 優勝インタビューのお立ち台に上った小西美加の目は涙で溢れていた。2連覇を果たした兵庫から新球団大阪に移っての初優勝。一からチームを作り上げる苦労を乗り越えただけに、喜びもひとしおだった。

 8勝8敗3分け同士で迎えた京都との戦い。「負けるのが嫌いなので、この後期にすべてを賭けて来た」と小西美加は中1日の登板ながら満身創痍でマウンドに上がった。初回から無死一、二塁のピンチを背負う展開となったが、強い気持ちだけで乗り切った。尻上がりに調子を上げ、味方打線の反撃をひたすら待ち続けた。

 だが、京都の先発半田も6回を過ぎてもノーヒットノーランを続ける快投。八方ふさがりの状態となったが、その回まさかの2死球と左翼手の落球で1死満塁の好機をつかんだ。3番の小西美加を迎えると、京都ベンチは大記録が掛かっていた半田を交代させ、2番手の大倉を投入。相手の思惑通りの二ゴロに打ち取られたが、二塁手が捕球体制に入るとイレギュラーバウンドとなり右前に抜けた。

 「野球の神様はいるんだな、私は持ってるなと思いましたね。みんなの思いが打球方向
を変えたんでしょう」と幸運な一打で待望の先制点を叩き出した。

 尚も滝澤の押し出し死球で1点追加。前期に6勝13敗1分けと無残な最下位に散っ
た大阪が、誰も予想しなかった後期優勝を確実にした。「野球の勝負はすべて気持ちの問題。そのために若い子達には言いたくないことも厳しく言ってきた。戦う集団として変わってくれたと思う」。前期で諦めたはずの最多勝タイトルもチームの上昇気流とともに、夢の領域から現実の世界へと手繰り寄せた。

 この日終わってみれば、4安打1失点の単独トップ11勝目。「まさか3年連続の最
多勝がこのチームで獲れるとは思わなかった。この優勝は野球人生で最大の経験。ここまで来たら、もう一つ勝って頂点に上りたい」。不可能などないということを証明したエース。11月5日の京都との総合優勝決定戦でもう一度宙に舞うつもりだ。

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2012年10月25日のニュース