崖っ縁の巨人 杉内不在響いた…最強投手陣3戦13失点

[ 2012年10月20日 06:00 ]

<巨・中>まさかの3連敗を喫し、後がなくなった巨人・原監督は無念の表情で引き揚げる

セ・リーグCSファイナルS第3戦 巨人4―5中日

(10月19日 東京D)
 セ・リーグはリーグ覇者の巨人が中日に3連敗を喫し、一気に王手をかけられた。2点を追う6回に高橋由伸外野手(37)が起死回生の同点2ラン。延長戦にもつれ込んだが、10回に守護神の西村健太朗投手(27)が勝ち越し点を許し、力尽きた。セのCSでは08年のアドバンテージ導入後、リーグ覇者球団が王手をかけられたのは史上初の屈辱。20日の第4戦でも敗れれば4連敗で終戦となる。
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 まさかの展開に原監督は表情をこわばらせた。3連敗。王手をかけられた悔しさは今季最も短い試合後の会見に表れた。

 「少しチーム全体も動いてきましたけどね。結果として勝つことができなかった。総力の中で戦って、結果、もう1敗もできないという状況になった。そういう中であすを迎え、しっかり戦うということですね」

 腕を組み、言葉を吐き出す。その後の質問は遮って「それ以上でも、それ以下でもないと思うんだけどね、きょうはね」と切り上げた。口を開いたのは31秒だった。

 6回、高橋由の2ランで同点に追いつき、延長戦に持ち込んだ。しかし、迎えた10回、守護神の西村が捕まった。1死一、三塁から谷繁のスリーバントスクイズをファウルにさせて空振り三振。流れは巨人に傾いたと思われたが、続く代打・堂上剛に中前打を浴びた。

 レギュラーシーズンでリーグトップのチーム防御率2・16を誇った投手陣が、CSでは3試合で13失点。この日も先発の宮国が5回3失点と先手を取られ、苦しい展開となった。「思うような投球ができなかった。上体に頼って上半身と下半身のバランスが合いませんでした」。CS初登板で味わう短期決戦の緊張感。それが力みとなって、持ち前の制球力は影を潜めた。

 当初は杉内が先発予定だった第3戦。だが、内海とともにエース格の12勝左腕が疲労による左肩の違和感で登板を回避した。次の候補だった沢村も不安定。経験の少ない2年目右腕に託されたが、あまりにも荷が重すぎた。第2戦もホールトンが4回途中3失点降板。指揮官が「拮抗(きっこう)した1点、2点を争うゲームになると思う」と思い描いた戦いには程遠く、逆に中日投手陣の層の厚さを見せつけられた。

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2012年10月20日のニュース