高木監督 選手に最敬礼「私が下手に動かない方がいいな」

[ 2012年10月20日 06:00 ]

<巨・中>巨人に3連勝し、ご機嫌な様子でナインを迎える中日・高木監督(左から2人目)

セ・リーグCSファイナルS第3戦 中日5―4巨人

(10月19日 東京D)
 苦笑いを浮かべながらも、うれしそうだ。日本シリーズ進出に王手をかけた中日・高木監督は、選手に最敬礼した。

 「救われたもいいところ。何をしてやってもいいぐらい。何とかタケ(堂上剛)が打って還してくれた。選手がのびのび集中してやっているので、私が下手に動かない方がいいな」

 4―2の6回に高橋由に同点2ランを浴び、試合は延長戦にもつれ込んだ。延長10回には1死一、三塁から谷繁にスリーバントスクイズをさせるなど、2度スクイズのサインを出すもファウルに終わり失敗。ベンチには嫌なムードが漂った。だが勢いの違いを見せつけた。続く代打・堂上剛が西村から決勝の中前適時打。「ずっと西村のところに合わせていた」。7月1日の巨人戦(東京ドーム)でも西村から右越え2ランを放っている堂上剛が、スクイズの失敗を帳消しにした。

 これで3連勝。「正直すべてを出し尽くした」「いろいろ比べてもすべて相手が上」などこれまで弱音発言を繰り返し、猫をかぶってきた71歳の老将だが「3つ勝つとちょっと欲が出てくるな」と本音もチラリ。今CSでは大方の予想に反して初戦に2年目左腕の大野、2戦目に21歳の伊藤を先発に起用。この日は中3日で山本昌を先発させ、相手ベンチをかく乱するなど、ここまで策士ぶりをいかんなく発揮している。

 高木監督と巨人といえば、同率首位で迎えた94年の最終戦「10・8決戦」で長嶋監督(当時)率いる巨人に3―6で敗れ、地元で胴上げを見せつけられた一戦が有名だ。あれから18年。高木監督と中日ファンの積年の思いを晴らすときが、ついにやってきた。

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2012年10月20日のニュース