今季1勝の伊藤がCS初勝利 高木監督「あしたは巨人が…」

[ 2012年10月19日 06:00 ]

<巨・中>ウイニングボールを手にさわやかな笑顔を見せる中日・伊藤

セ・リーグCSファイナルS第2戦 中日5―2巨人

(10月18日 東京D)
 今季レギュラーシーズンでの登板はわずか2試合で1勝の中日・伊藤が、大舞台で快投を演じた。

 「向かっていく気持ちだけを忘れずにマウンドに立った。(谷繁さんの)サイン通りに投げれば、抑えられる自信はあった」

 岐阜城北からプロ入りして4年目。21歳とは思えない強心臓。投球でも強気な攻めを貫いた。初回1死一塁から坂本の右翼線二塁打で先制点を許した。だが、続く4番阿部、5番高橋由に対して強気に内角を突き、連続三振。2回以降は落ち着きを取り戻し、140キロ台の直球にフォークボールを織り交ぜ、6回まで走者を一人も出さず、8回途中まで4安打2失点で踏ん張った。

 「とにかく勝ちたかったんでうれしい。自分のピッチングはできたと思います」

 9月にエース吉見が右肘の骨折で戦列を離れ、さらにソト、中田賢もケガで離脱した。厳しい台所事情。それだけに、打撃でも2回に同点適時打となる内野安打を含む2安打と奮闘した伊藤に、高木監督は「3回もってくれればと思った。百点満点」と相好を崩した。

 戦前は圧倒的不利といわれながら、第1戦では2年目、24歳の大野を立て、この日は伊藤と若い力で連勝スタート。指揮官は帰り際「あしたは巨人が爆発するんじゃない?」とまたまた弱気な言葉を吐いたが、もう誰も本音とは思わない。

 ▼中日・谷繁(伊藤に)結果として抑えた。結果がすべて。

 ◆伊藤 準規(いとう・じゅんき)1991年(平3)1月7日、愛知県生まれの21歳。岐阜城北では1年秋からエースを務め、2年夏の県大会・準々決勝で清翔を相手にノーヒットノーラン。甲子園出場はなし。08年ドラフト2位で中日入団。10年4月4日の阪神戦(ナゴヤドーム)でプロ初勝利を挙げた。1メートル86、72キロ。右投げ左打ち。

 ≪1勝投手のCS先発勝利は初≫先発の伊藤は今季レギュラーシーズン1勝ながら7回2/3を2失点でCS初勝利。77年のプレーオフ(3)戦で公式戦2勝の金田(ロ)が先発勝利を挙げているが、1勝投手のプレーオフ、CS先発勝利は伊藤が初めて。日本シリーズでも公式戦1勝で先発勝利は04年(1)、(7)戦の石井貴(西)、10年(5)戦のペン(ロ)しかいない。また、打っても2回同点の内野安打を含む2安打。プレーオフ、CSで投手の1試合2安打は73年(2)戦山田(阪急)、07年第2S(2)戦川上(中)、09年第2S(2)戦オビスポ(巨)に次いで4人目になった。

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