ソフトB今宮 「赤鬼」以来PS32年ぶりVスクイズ

[ 2012年10月14日 06:00 ]

<西・ソ>2回1死一、三塁、倒れ込みながらもスクイズを決めるソフトバンク・今宮

パ・リーグCSファーストS第1戦 ソフトバンク2―1西武

(10月13日 西武D)
 クライマックスシリーズ(CS)ファーストステージ(3試合制)が13日に開幕し、パ・リーグは3位ソフトバンクが2位西武に2―1で競り勝った。2回にソフトバンク・今宮健太内野手(21)がスクイズを成功させ、これが決勝点となった。ソフトバンクは14日の第2戦に勝てばファイナルステージ進出が決まる。
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 短期決戦だからこそ、普段より1点の重み、先制点の重みが増す。だからこそ、ソフトバンクベンチは今季、9月25日のオリックス戦(京セラドーム)で細川がチームで唯一成功させたスクイズを序盤で仕掛けた。

 0―0の2回1死一、三塁、カウントは1ボール。今宮は打席での立ち位置を本塁寄りに変えた。その姿を見たマウンド上の西武・牧田は「(スクイズが)あるかもしれない」と直感。その読み通りに敢行してきたスクイズに対し、膝元へシュートする球で外しにかかった。それでも今宮は「最悪、空振りして体に当たってもランナーは(ボールデッドで)アウトにならない」と捨て身の覚悟で、尻もちをつきながらもバットに当てて転がした。この1点で、ソフトバンクは試合の主導権を終始、握り続けた。

 今宮への初球がボールとなったことも戦況を大きく変えた。西武・光山バッテリー兼作戦コーチは「1ボールになったことで、(さらにカウントを悪くして)ゲームがバタつくのを恐れて外しきれなかった」。試合終盤なら外角へ大きくウエストする選択肢もあったが、まだ2回。四球で走者をため、大量点というケースだけは避けたかった。そこで牧田は今宮の内角を突きながら、「(今宮に)当てるくらいのつもりで内角高めに投げないといけなかった」と猛省を込めて振り返った。デッドボールになったとしてもまだ満塁。今宮が「当たっても良かった」なら、牧田は「当てても良かった」のである。

 今宮は今季から遊撃の定位置をつかんだ3年目。「スクイズはプロで初めて。高校でもない。緊張しました」と話したが、今季は23度犠打を試みて21度成功。井出外野守備走塁コーチも「チームでバントが一番うまい」と評したように、ベンチの信頼も厚かった。もちろん、背景には今宮の今季の対牧田が4三振を含む9打数無安打という相性もあった。

 ソフトバンク・大石ヘッドコーチは「CSということで、早い回から作戦があると選手には話していた」。ポストシーズンでスクイズが決勝点となったのは、1980年に近鉄の4番マニエルが「奇襲」で決めて以来。レギュラーシーズン144試合で1度しか成功例がなかった戦法で、ソフトバンクが初戦を取った。

 ◆80年10月16日の近鉄―ロッテ戦(川崎) 前後期制で、優勝を決めるプレーオフ第2戦の初回、1死一、三塁から近鉄の4番マニエルが二塁前へ先制のセーフティースクイズ。ロッテ先発・水谷も「予想できるはずがないでしょう」と仰天。同年に48本塁打でタイトルを獲得していた「赤鬼」マニエルは「二塁手が後ろに下がっていた。調子も良くないしダブルプレーも怖い。チームプレーだよ」。試合は4―2で快勝。西本監督は「マニエルのバントでみんなが盛り上がった」と喜んだ。

 ≪CS初打席で≫今宮(ソ)が自身CS初打席の2回に決勝点となる投前スクイズ。CSでスクイズを決めたのは11年ファーストS(2)戦の内海(巨)以来で、73~82年、04~06年パのプレーオフを含め9人目。初打席で決めたのは今宮が初めてだ。またスクイズが勝利打点となったのは、80年(2)戦のマニエル(近鉄)以来2人目。

 ≪突破率85%≫ソフトバンクが先勝。過去、3試合制のプレーオフ、CSでソフトバンクは初戦に勝ち星なしの3連敗。4試合目で初勝利を挙げた。3試合制のプレーオフ、CSでは昨季まで第1戦に勝って王手をかけた13チームのうち11チームがファイナルSに進出。突破率は85%と高い。また、ソフトバンクは西武とのプレーオフ、CSで06年第1S(2)戦から6連勝となった。

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