捕手2人制が裏目…西武、サヨナラ機で上本に代打送れず

[ 2012年10月14日 06:00 ]

<西・ソ>9回1死二、三塁、凡退しベンチに戻る西武・上本(右)と渋い表情の渡辺監督

パ・リーグCSファーストS第1戦 西武1―2ソフトバンク

(10月13日 西武D)
 あと1点が遠かった。初戦を落とし、早くも崖っ縁に立たされた西武・渡辺監督は「ああいう展開で、無死満塁で1点しか取れなかったのがね…」と悔しさをにじませた。

 摂津に手も足も出ないまま迎えた2点を追う9回。代わったファルケンボーグを攻めて無死満塁。3番手の左腕・森福から代打カーターの遊ゴロの間に1点を返し、なおも1死二、三塁。同点はもちろん、一打サヨナラの場面を迎えた。次打者には7回に捕手・炭谷の代打で起用され、そのままマスクをかぶっていた上本。この時点で唯一の右の代打・高山はまだベンチにいた。しかし、ベンチ登録の捕手は炭谷と上本だけ。延長戦を見据えると交代はさせられない。上本はそのまま打席に入ったが遊飛。2死となって鬼崎に代打・高山が送り込まれたが、中飛に倒れてゲームセットとなった。

 上本は「盛り上がっていたのに申し訳ない」とうなだれたが、勝負どころで「捕手2人制」が裏目に出た。今季捕手陣は開幕から炭谷、上本、星孝の3人態勢を敷いていた。しかし、中村や中島が故障を抱えたため、シーズン中盤から代走や代打の層を厚くせざるを得なかった。7月31日に星孝が出場選手登録を外れてからは2人態勢で乗り切ってきたが、CSで「弱点」を露呈してしまった。ただ、5月10日の楽天戦(Kスタ宮城)では最後の捕手であった星孝が暴力行為で退場となり、外野手登録ながら入団時は捕手だった星秀を起用したこともあった。この日も星秀はベンチに残っており、思い切って勝負を打つ選択肢もなくはなかった。

 渡辺監督は「点を取らないと勝てない」。第2戦では星孝を緊急昇格させて捕手3人制に戻すことで、積極的な代打策がとれる環境を整えた。

 ▼西武・秋山(摂津に4打数無安打)一本打って流れをつかみたかった。積極性と見極めのバランスが難しかった。

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2012年10月14日のニュース