坂本 気迫3安打!ON以来43年ぶり長野とW最多安打

[ 2012年10月8日 06:00 ]

<巨・D>7回1死、巨人・坂本は右前打を放ち、今季通算173安打で長野に並ぶ

セ・リーグ 巨人2―1DeNA

(10月7日 東京D)
 巨人の坂本勇人内野手(23)は7日、DeNAとのレギュラーシーズン最終戦で3安打をマーク。今季173安打として、無安打に終わったトップの長野久義外野手(27)に並び、自身初のタイトルを確定させた。巨人で最多安打のタイトルを2選手が獲得するのは、69年の長嶋&王以来、43年ぶり2度目。原辰徳監督(54)も試合途中に並んだ2人を途中交代させる親心を見せた。

 こみ上げるものを必死に抑えた。7回、173安打目となる右前打を放ち、藤村の犠打で二塁に進んだ直後。原監督に耳打ちされ、ベンチに下がる長野の背中を見届けた。「みんなに言われたけど、泣いてませんよ」と言ったが、額の汗を拭い、そっと目元も拭った。

 「打席に行くにしてもしっかり打ってほしいと思ったし…。長野さんと監督に感謝したい。一緒に獲れたので本当によかった」

 トップの長野に3本差で迎えた最終戦。原監督は打席が多く回るようにと、4月20日のヤクルト戦(神宮)以来の1番起用を決断した。「正直、厳しいなとは思っていた。でも監督、コーチが1番にしてくれたし、全力を尽くしてやろうと」。初回に左前打、5回に左翼線二塁打。そして7回1死の第4打席では、1ボール2ストライクから外角低め145キロの難しい球に目いっぱい体を伸ばして右前へ運んだ。

 4月26日のDeNA戦(鹿児島)から、打順が入れ替わり「1番・長野、3番・坂本」が定着した。「もう長野さんに回ってくる。1番ってこんなに早く回るんだ」。夏場に苦労する長野の姿を見て、こうつぶやいた。1番の難しさを再確認すると同時に、長野が守っていた3番としての責任が芽生えた。4歳年上の長野に「おめでとう」と声をかけられると、また熱いものがこみ上げてきた。そろってのタイトル獲得は、9年目となった原政権で最高の勝率・667の圧勝を支えた2人への指揮官からのプレゼントでもあった。

 シーズン20度目の猛打賞は、63年の長嶋(終身名誉監督)と並び球団歴代3位タイ。「今回は同じチームで争っている人がいて、チームに考慮してもらって獲れた。それに感謝して前向きにいきたい」。坂本にとっては一生忘れられない初タイトルとなった。

 ▼巨人・原監督 2人にとって大変、大きな、忘れることのできないレコードになった。3本打った坂本も凄いけど、記録に挑戦させた長野も素晴らしい。144試合の長丁場の中で、記録で並んだということでそれ以上、打席に立たせることはできなかった。2人は同世代で、切磋琢磨(せっさたくま)して、戦ってきて感慨もひとしおだと思う。

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2012年10月8日のニュース