イチロー11年ぶりプレーオフへ 地区Vも決める!

[ 2012年10月2日 06:00 ]

ブルージェイズ戦の3回、エンカーナシオンの右翼線寄りの大飛球を好捕するヤンキースのイチロー

ア・リーグ ヤンキース9-6ブルージェイズ

(9月30日 トロント)
 負けられない試合で、ヤンキース・イチローの超美技が光った。1―2の3回、先頭のエンカーナシオンの打球は、右翼線へと切れていく飛球。懸命に追い掛けると、最後は思い切り左腕を伸ばし、グラブ先端の網部分で捕球した。敵地のファンからも驚きの歓声が上がった。

 「あの人(エンカーナシオン)は抜けてもトリプル(三塁打)はないので、ギリギリまで行っていいなと思った。入ったという感じですね、捕ったというよりは。(記憶に残る)何個かあるうちのプレーの一つですね」

 ハッスルするだけなら誰でもできる。イチローは捕球後、フェンスに突っ込みかけたが、最後の一歩で体を左に半回転。背中やでん部で衝撃を和らげて、何事もなかったかのように起き上がった。12年間ケガでの故障者リスト入りがない鉄人ぶりを支えてきた危機回避能力。ジョー・ジラルディ監督も「美しく素晴らしいキャッチ」と称えた。

 試合は1―5から終盤に打線が爆発して逆転勝利。初回に左前打を放ち、7回には中犠飛で同点劇を演出したイチローも「流れが悪かったですもんね。よく勝ったと思いますよ」とうなずいた。

 同率首位で並ぶオリオールズも勝利したが、エンゼルスがレンジャーズとのダブルヘッダー第2試合で敗れたために、最低でもワイルドカードを確保した。イチローにとっては、マリナーズ時代の01年以来、11年ぶりのプレーオフとなるが、その前に地区優勝という目標がある。最後の3連戦を迎える心境を問われると「知っています」と短い言葉に決意を込め、ニューヨークに向かった。

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2012年10月2日のニュース