キング追走!阿部、2本差V弾で5年ぶり100打点

[ 2012年9月26日 06:00 ]

<広・巨>8回表1死、巨人・阿部は中越えに勝ち越しソロを放ちガッツポーズ

セ・リーグ 巨人3-2広島

(9月25日 マツダ)
 「打ち直し」のバックスクリーン弾に、巨人・阿部は三塁ベースを回る時には白い歯をこぼしていた。同点の8回。先頭で打席に入り、大竹の146キロの外角球を完璧に捉えた一撃だった。

 「今度は入ってくれたよ」。3回1死一、三塁で「完璧だったのに、風に負けてしまった」と、いい角度で打ち上げた打球が強風に流れ中犠飛に終わっていた。「感触はどちらも同じだったけどね。きょうは本塁打を狙っても駄目だったので、まず出塁を意識した」と振り返った。

 この日の2打点で自身5年ぶり2度目の100打点に到達した。シーズン途中で1番・長野、3番・坂本の形が固定されたことで、「前の打者がよくつないでくれるから、今の打点がある。感謝しているし、みんなで積み上げた数字」と指摘する。開幕前の目標は07年に自身が記録した101打点にかけて「打倒!101打点」。そして、チームの勝利に直結する打点を「今年に入って何よりも意識してきた」という。

 リーグ優勝決定の翌22日からは、1月のグアム自主トレに初参加した「新弟子」の大田が昇格し、2試合連発と猛アピール中。「あと3、4本打つまで調子に乗るな、と言っといたよ」と活躍を喜びながら、阿部らしく明るく厳しくチームを引き締めている。

 原監督が「私が言っていいのか分からないが芸術的。バックスクリーンに入るのは同じ野球人として羨望(せんぼう)のまなざしです」と手放しで称えた27号で、キング争いでもヤクルト・バレンティンに2本差に肉薄。65年の野村克也以来、47年ぶりの捕手での3冠王を再び視野に捉えた。

 「(優勝しても)気持ちを切らさず、いい緊張感でできているので、チャンスはなくはない」と阿部。残り8試合。阿部の生涯最高のシーズンはまだまだ続く。

 ▼巨人・長野(7月12日の広島戦以来、今季2度目の1試合4安打)まだ試合があるので、しっかり調子を維持していきたいです。

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2012年9月26日のニュース