球団初!高卒ルーキー・武田、プロ初完封7勝目

[ 2012年9月26日 06:00 ]

<ソ・オ>9回、李大浩(左)を併殺に仕留め、プロ初完封を達成したソフトバンク・武田は笑顔でグラブを叩く

パ・リーグ ソフトバンク7-0オリックス

(9月25日 京セラD)
 マウンドで笑みを絶やさないソフトバンク・武田の顔が、いつも以上に輝いた。9回1死一塁。111球目の外角スライダーで李大浩(イデホ)を二ゴロ併殺打に仕留めると「よっしゃー」と声高に叫んだ。

 「9回は自分で言いました。ここまで来たらゼロで終わりたかった。普段より、バテた感じはあったけど、前回より制球がまとまっていた」

 武田には、大事に育てる方針のもと、今季は100球以内の球数制限が課せられていた。8回を終えて101球。本来なら交代の場面だった。それでも続投志願を伝え聞いた秋山監督は「(完封も)経験だし、できる時にしないとな」と9回のマウンドに送り出した。

 ここ2戦はいずれも4四球を与えるなど本来の制球力を欠いていた。だがこの日はわずか1四球。5回無死三塁では小島を空振り三振、日高を投飛、三ツ俣を空振りの三振に仕留めピンチを脱出。結局4安打しか許さなかった。

 不振時に自分の投球フォームをVTRで見た際、普段は体に隠れていた右手が背中の後ろに出て、腕が横振りになっているのを見つけた。登板予定だった23日の楽天戦(Kスタ宮城)は雨天中止。「雨が降ったので投球フォームを固める時間があった」。登板が2日間延びたことで、本来の上から投げ下ろす好調時のフォームを取り戻し、リリースポイントが一定した。

 高卒ルーキーの完封は65年のドラフト制後では球団初。7勝も02年の寺原を抜き球団新となったばかりか、同じ高卒ルーキーの楽天・釜田にも勝ち星で並んだ。「絶対に負けない気持ちでやりたい」とライバル心ものぞかせる。これで首位・日本ハムとは3・5ゲーム差。優勝争いに踏みとどまった。もう新人とは思えない。背番号30は風格さえ漂わせている。

 ≪楽天・釜田に続いた≫武田(ソ)がプロ初完封勝利。高卒新人の完封勝利は今季釜田(楽)に次ぎ、65年のドラフト制後両リーグ19人目。チームでは南海時代の54年に宅和本司(5度)と中島孝司がマークして以来58年ぶり、ドラフト制後初の快挙となった。また武田はこれで釜田と並びパ新人トップの7勝目。チームの高卒新人最多記録は前記宅和の26勝だが、ドラフト制後ではダイエー時代の02年寺原の6勝を抜き単独最多勝利となった。

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2012年9月26日のニュース