栗山2世だ!杉谷代打V撃 小柄な右投げスイッチ

[ 2012年9月18日 06:00 ]

<日・オ>お立ち台でマイクを奪う杉谷

パ・リーグ 日本ハム5-4オリックス

(9月17日 札幌D)
 日本ハムは17日、オリックスと対戦し、同点の8回に杉谷拳士内野手(21)が代打で決勝の右前適時打を放ち、競り勝った。杉谷だけでなく、優勝争いの佳境で19歳の高卒ルーキー・近藤健介捕手を先発マスクに起用するなど、栗山英樹監督(51)の大胆采配が決まって、チームの貯金は今季最多タイの12。2位西武とのゲーム差を1・5に広げた。3年ぶりのリーグ制覇へ、若手が勢いをもたらしている。

 2点差を追い付かれた直後の8回1死三塁。打球が一、二塁間を抜けたのを見届けると、杉谷が一塁へ走る途中で右拳を突き上げた。「ずっと打ててなかったのに、監督は使ってくれた。期待に応えたかった」。21歳のスイッチヒッターが代打で決勝適時打の大仕事。お立ち台ではインタビュアーからマイクを奪い「やりましたー」と叫んだ。しかしクラブハウスに戻ると、自身のロッカーが誰かのいたずらでぐちゃぐちゃに荒らされていた。「“マイク取るなんて100万年早い”ってみんなに言われて…」。それでも、その表情は喜びで満ちあふれていた。

 8回の場面。栗山監督は振り返る。中島に代えて起用した杉谷は、9月に入って21打数4安打、打率・190。「迷ったよ。でも拳士(杉谷)は何でもできると思った」。小技もある杉谷を起用することで、スクイズも強攻策も相手に想定させた。1球目。相手バッテリーはウエストボール。そして1ボール2ストライクからの4球目、直前に空振りしたチェンジアップを執念で右前へ運んだ。

 先発出場した後輩に刺激を受けていた。4点を奪った4回に新人捕手の近藤は得点につながる安打を打ち、2年目の西川は適時二塁打を放った。同期の中島も含めた4人でレンタカーに乗って札幌ドームにやってくる際は野球談議に花を咲かせる。誰かが打てなかった日には、寮に帰って食事を取りながらなぐさめ合う。しかし、他の3人がグラウンド上で活躍する姿に杉谷は焦っていた。「どうせ出られないし…」と投げやりになることもあったが、栗山監督の期待に応えたい一心で耐えた。

 栗山監督と杉谷は同じ右投げのスイッチヒッター。そして栗山監督が1メートル74、76キロ、杉谷が1メートル73、74キロとともに小柄。指揮官が「あいつがあの体で苦労している気持ちは本当に分かる」と話せば、杉谷も「僕は監督と同タイプだから、監督の力に何とかなりたい。監督がいる間に必ずレギュラー獲ります」と面と向かって宣言している。

 若手の健闘で競り勝ち、2位西武とのゲーム差を1・5と引き離した。栗山監督は「俺の強みは新人監督であること。プレッシャーみたいなものがわからないし、だから思い切っていける」と言う。そして「こういう試合を勝つと若い子たちに財産になるし、自分もこれで“またあした”と思える。(優勝するには)レギュラーの力と、若い選手のがむしゃらさがプラスアルファとして絶対必要だから」と目を細めた。残り14試合。その「プラスアルファ」がペナントの鍵を握る。

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