“好投息子”だ!小山8回零封で原監督700勝王手

[ 2012年9月12日 06:00 ]

<巨・広>8回2死一、二塁、菊池を三振に斬り、気合の表情を見せる小山

セ・リーグ 巨人6-3広島

(9月11日 東京D)
 巨人は11日、先発の小山雄輝投手(23)が広島打線を相手に8回無失点の好投。打線の援護にも恵まれ今季2勝目を挙げた。

 2年目右腕の好投により、原辰徳監督(54)は通算699勝目で、史上18人目となる700勝の大台に王手をかけた。これで貯金は今季最多の38。優勝に向けたマジックナンバーは1つ減って「11」となり、最短胴上げは17日となった。

 うれしさと悔しさが入り交じった。8回でわずか103球。しかも6点リードしていた。あと1イニング抑えれば、完封勝利だったが、8回に連打を許すなど疲労も隠せなかった。ベンチに戻った小山は、川口投手総合コーチから交代を告げられた。

 「気持ち的には(9回も)いきたかったですけど…。でも優勝がかかっている時期。その中で貢献できてうれしい」

 先頭打者の出塁を一度も許さなかったことが好投の要因だ。打者10人に初球ボールだったが「ボールが先行しても粘り強く投げたい」と話していた通り、四球は一つだけ。3ボールさえも2度だけだった。少ない球数が野手のリズムを生み、打線が3回までに3点を援護してくれた。

 8月31日のDeNA戦(東京ドーム)で7回無失点に抑えプロ初勝利を挙げたが、その後は中継ぎに回った。ところが5日に先発ローテーションを守ってきた沢村が出場選手登録を抹消。再び先発の機会が巡ってきた。「あしたは(プロ初勝利を目指す)笠原。1イニング、1人でも多く投げたかった」。プロ入り最長の8回を5安打無失点。2歳年下の笠原が先発する12日のために、中継ぎ陣を休ませた。

 沢村とは10年ドラフトの同期入団で同い年。1年目の新人合同自主トレでは「あいつは別格ですから」と1位入団の沢村に対し、4位入団の小山は冗談めかしながら格の違いを認めていた。それでも昨オフは、内海のグアム自主トレにそろって同行。あえて同じ環境に身を置き、刺激を受けた。「(沢村に)追いついて、ライバルになれたらとは思う。チームとして2人で勝ち星を増やせたらいい」。格の違う相手に対し、そう言えるまでになった。

 監督通算700勝に王手をかけた原監督は「前回よりも1ランク上がったなという素晴らしい投球。これくらいの投球をしていけば、今休んでいる沢村と互角に競い合える」と絶賛した。沢村の穴を感じさせない小山の好投で、9連戦の初戦を鮮やかに飾った。

 ▼巨人・川口投手総合コーチ(小山は)球の質も良くなっているし、狙ったところに投げ、リズムも良い。1軍の投手になってきた。

 ▼巨人・高木京(プロ初セーブを挙げ21試合連続無失点)気持ち良かった。自分なんかにセーブがついていいのかなと思いました。

 ≪最多は鶴岡監督1773勝≫原監督はこの日の勝利で通算699勝目。監督通算700勝にあと1勝と迫った。監督通算勝利の最多記録は鶴岡監督の1773勝で、700勝以上は過去17人。原監督が達成すると史上18人目になる。また、巨人の歴代監督で通算700勝以上は川上1066勝、長嶋1034勝、水原881勝の3人。こちらは達成すれば4人目となる。

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