ダル2世が救世主!中村好投でハム首位に0差

[ 2012年9月10日 06:00 ]

<オ・日>7回無失点と力投をみせた中村

パ・リーグ 日本ハム2-0オリックス

(9月9日 京セラD)
 「ダル2世」が再び輝きを放った。日本ハムの中村勝投手(20)が9日のオリックス戦で7回を4安打無失点に抑え、今季2勝目をマーク。首位・西武が敗れたために、チームはゲーム差なしに肉薄した。3年目の右腕は8月上旬に1軍に昇格し、防御率は驚異の0・84。今年1月、メジャーに移籍したレンジャーズのダルビッシュ有投手(26)に弟子入りして「エース道」を学んだ中村が、逆転Vを目指す栗山ハムの切り札となる。

 救世主はシャイな20歳の右腕だ。1メートル84の長身で小顔のイケメン。春日部共栄時代に「埼玉のダルビッシュ」と呼ばれていた中村はヒーローインタビューではにかんだ。

 「野手の方と鶴岡さんのリードに助けられた。これからも自分のやるべきことをしっかりやって、勝ちに貢献できたらいいなと思います」

 前夜のサヨナラ負けを払しょくする7回4安打無失点の快投。チームは首位・西武とゲーム差なしに肉薄した。

 風貌は「本家」と似ているが、投球スタイルは全く違う。直球は130キロ台後半と決して速くないが、最遅90キロのカーブを操り、100キロ台のスライダーを投じる。同じ腕の振りから約40キロの緩急をつけるため、直球にも打者はタイミングを外され、差し込まれる。この日も21個のアウトのうち、フライアウトは11個。7回1死一、二塁でもカーブを決め球に最大のピンチを切り抜けた。

 ダルビッシュと同じチームに入団したが、本人にとっては「雲の上の存在」だった。しかし、エースがメジャー移籍を決断した今年1月、自ら志願して宮崎での合同自主トレに参加。トレーニング方法や、スライダーを伝授された。自主トレ中は食べまくりの2週間で体重は79キロから84キロへ。力強さを増した投球に、誰もが「兄貴分」の穴を埋めると期待を寄せた。しかし「体重が増えたからといって力任せの投球をしてしまっていた」と中村。オープン戦では結果を残せず、前半戦も2軍暮らしが続いた。

 転機は優秀選手賞を獲得した7月19日のフレッシュ球宴(ハードオフ新潟)。移動中にふと携帯電話で動画サイト「ユーチューブ」を開き「中村勝」と検索した。そこにはゆったりと足を上げる昔の映像があった。力に頼っていた投球フォームから、リズム良く投げ込むことを意識。直球に切れが戻り、武器のスローカーブも生きた。

 開幕投手を務めた斎藤が不調により7月30日に2軍に降格する中、8月5日に1軍から声が掛かった。以来、5試合の先発で2勝0敗、防御率0・84。斎藤の穴を補って余りある活躍だ。栗山監督も「安心感が出始めたね。変に浮つかないで淡々とやるのは彼の持っている性格。チームの軸になっていく空気を持っている」と称賛した。

 西武とのし烈な優勝争いの中、20歳とは思えない落ち着きでマウンドに立つ中村。チームを逆転Vに導いたとき、真のダルビッシュの後継者へと道が開いていく。

 ◆中村 勝(なかむら・まさる)1991年(平3)12月11日、埼玉県生まれの20歳。小学2年で野球を始め、武里中3年時に日本代表としてアジア大会3位。春日部共栄では2年秋からエースを務めたが、甲子園出場なし。09年ドラフト1位で日本ハム入団。1年目の10年8月11日のロッテ戦(千葉マリン)で初登板初勝利を挙げた。1メートル84、79キロ。右投げ右打ち。

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