原監督 非情采配でM15!下降気味の村田見切った

[ 2012年9月8日 06:00 ]

<ヤ・巨>初回2死一、二塁、巨人・大田の左前打で二走・坂本(左)が生還する

セ・リーグ 巨人8-2ヤクルト

(9月7日 神宮)
 巨人は7日、今季最多タイの16安打で8得点を奪い、ヤクルトに快勝。初回に4連打などで3点を先制したが、原辰徳監督(54)は非情采配を見せた。
【試合結果】

 不振が続く村田修一内野手(31)を2打席凡退後の2回の守りから交代。どんな状況でも手綱を緩めずに野手17人中16人を使った。これで今季72勝36敗(13分け)とし、勝率・667の2勝1敗ペース。驚異的な勝率で優勝へのマジックナンバーは1つ減って「15」となった。

 試合後に浮かべた笑みは、原監督の自信の表れでもあった。今季最多タイの16安打で快勝。繊細かつ大胆な采配が詰まった勝利に「いい集中力でやってくれていますね」。短い言葉でナインを称えると、やりきったという満足感を漂わせて、大歓声を浴びながらクラブハウスに歩を進めた。

 疑う心を持たずに動いた。象徴的だった事象は3つあった。

 (1)非情采配 2回1死一、二塁から三ゴロ併殺打に倒れた村田を、直後の守備から交代。

 「ずっと出ずっぱりだから、あしたまた元気に会おうじゃないか、と」。初回に2点を先制し、なおも無死一、二塁の場面で空振り三振していた5番打者。原監督は4回にはクラブハウスに戻し、試合中に帰宅させた。「三振とゲッツーでは期待できないということで代えました。バッティングの問題。体調は問題ない」と岡崎ヘッドコーチ。直前の阪神3連戦(甲子園)でも13打数2安打、5三振で2併殺と下降気味。先を見据えた心身のリフレッシュが目的だったが、主砲を相手に厳しい決断を下した。

 (2)積極采配 3点リードの7回、代打攻勢で1点を奪った。

 無死一、二塁の好機で中井に代えて代打・松本哲を起用。手堅く投犠打で1死二、三塁とし、田原に代打・高橋由を送り、一塁手の野選で貴重な1点をもぎ取った。ベンチ入りした17人の野手のうち、捕手の加藤を残して16人を起用。「いつも神宮はもつれるからね」と7回以降に7選手を出場させ、終盤まで勝負の手綱を緩めなかった。

 (3)最善采配 右打者の中井をこの日急きょ出場選手登録。

 試合前にも手を打った。前日の阪神戦(甲子園)で左腕の岩田に対し右打者7人を先発出場させたが、終盤は右の代打が捕手の加藤、実松と鈴木だけに。「この3つは左投手が来るからね。チーム最善策でね」。中井は今季4試合目の先発で、3年ぶりの安打をマークし「うれしい気持ちもあったけど、(大田)泰示もマルチ(安打)を打ったりしている。負けられない」。競争意識もあおり、控え選手の層を厚くすることに成功した。

 これで72勝36敗13分けとし、ちょうど2勝1敗ペースの勝率・667になった。マジックは15。原監督自身も監督通算700勝にあと3勝に迫った。CSクリンチは1。打てる手を打ちながら、着実に前進している。

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2012年9月8日のニュース