藤浪 3連投も5失点…ラフプレーに動揺?「腹立つ部分も」

[ 2012年9月8日 06:00 ]

<米国・日本>7回1死一、二塁、右前適時打で勝ち越しを許し、ぼう然とする日本代表・藤浪

18U世界野球選手権2次ラウンド 日本5―10米国

(9月7日 木洞)
 決勝進出ならず――。日本は2次ラウンド最終戦で決勝進出を懸けて米国と対戦したが、逆転負けを喫した。1点リードの7回から3連投となる大阪桐蔭・藤浪晋太郎投手(3年)を投入したが、守備のミスもあり、1回1/3を5失点(自責1)。強烈なタックルに大阪桐蔭・森友哉捕手(2年)が負傷するなど米国流の洗礼も浴びた。日本は韓国、コロンビアとともに2勝3敗となり、大会規定により、8日に韓国との5位決定戦に臨む。同日の決勝戦は米国とカナダが対戦する。

 1点リードの7回。日本は自身初の3連投となる藤浪をマウンドに送った。あと3イニング。甲子園春夏連覇のエースに託すしかなかった。しかし、1回1/3を5失点で逆転負け。目標だった初優勝の可能性が消滅した。右腕は「自分がチームのミスをカバーできずに負けてしまい、悔しいです」と無念の言葉を絞り出した。

 前日までの2日間で計227球を投げていた。疲れはあったが、気力だけで腕を振った。先頭打者への2球目に150キロを計測すると、4球目にはこの試合最速の152キロを叩き出した。しかし、遊撃・北條の連続失策で無死二、三塁のピンチを招くと、アクシデントも重なる。大阪桐蔭でもバッテリーを組んでいる森が三塁走者の強烈なタックルを受けて負傷し、試合は一時中断した。

 「投手は1つの出来事で一喜一憂してはいけない。仲間がケガをして腹立つ部分もあったが、自分を保つことはできたと思う」。試合後は冷静に話したが、動揺は少なからずあった。続く7、8番に連続適時打を浴びるなど4失点。集中力が途切れた8回も2四死球と暴投で1死一、三塁とされ、マウンドを降りた。「あれがベースボールと野球の違いと思った」。世界の厳しさを思い知らされた。

 試合前に決勝進出が消える可能性もあったが、台湾がコロンビアを下したことで勝てば決勝に進める状況だった。この大会はもう一人の柱、大谷の調子が上がらずに4番に専念する中、大車輪の働きをしてきた。しかし、8日間で5試合目となった登板で力尽きた。

 「世界のトップレベルのチームが集まる舞台なので、厳しいコースを突かないと打たれてしまう。あらためて自分の力の無さを痛感しました」とレベルアップを誓った藤浪。同時に「世界の厳しさを知ることができたのは収穫と思います」とも言った。日の丸を背負い、大黒柱として戦った経験は必ず将来の糧となる。

 ▽2次ラウンドの順位決定方式 6カ国で争われ、A、Bに分かれた1次ラウンドで対戦しなかった3カ国と戦う。1次ラウンドで戦った国同士の対戦成績は持ち越され、成績上位2チームが決勝に進出。同3、4位で3位決定戦、同5、6位で5位決定戦が行われる。2チームが勝敗数で並んだ場合は当該チーム同士の勝敗で、3チームが並んだ場合は当該チームの(1)得失点率(2)チーム自責点(3)チーム打率(4)コイントスの順で順位が決定する。

 ▽日本の過去の18U世界野球選手権 日本チームが初めて出場したのは82年の大学選抜(準優勝)。99年には沖縄県選抜が出場(5位)。高校日本代表としては今回が2度目で、前回の04年は東北・ダルビッシュ(レンジャーズ)、横浜・涌井(西武)らを擁した。準決勝で韓国と対戦する予定だったが、台風の影響で取りやめとなり、予選リーグA組1位で準決勝に進出した日本と同B組1位のキューバが優勝をかけて対戦。ダルビッシュが先発したが、0―4で敗れた。

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2012年9月8日のニュース