秋山、人生初サヨナラ弾!西武1・5差で首位がっちり!

[ 2012年9月6日 06:00 ]

<西・ソ>9回無死、右越えにサヨナラソロ本塁打を放った西武・秋山(左)はチームメートから手荒い祝福を受ける

パ・リーグ 西武2-1ソフトバンク

(9月5日 西武D)
 伏兵の一振りで首位を守った!西武は5日、ソフトバンク戦で同点の9回に先頭の秋山翔吾外野手(24)が初球を叩き、自身初となる4号サヨナラ本塁打。今季初の劇勝で、2位・日本ハムとのゲーム差を再び1・5に広げた。走攻守三拍子そろった2年目の若獅子が後半戦から2番に定着すると、チームは快進撃。最大11ゲーム差からの逆転Vへ、秋山がキーマンとなっている。
【試合結果】

 水とスポーツドリンクを頭からかぶってずぶ濡れになりながら、秋山は何度も拳を突き上げた。「野球人生でサヨナラ本塁打はない。自分でもびっくりです。優勝を目指す中で打てたのはうれしい」。チームに今季初のサヨナラ勝ちをもたらした24歳の若者は、喜びを爆発させた。

 同点の9回。この回から投手は柳瀬に交代した。前日は空振り三振を喫した相手だ。投球練習中、登場曲のザ・ブルーハーツ「人にやさしく」が流れる中、気分を高めながらも冷静に指2本分、バットを短く握った。「あの変化球の落差とか切れでは当たりそうにないって思って。空振りでもいいやと直球を待った」。その初球だ。内角のフォークをフルスイング。打球が右翼席に着弾すると一気にダイヤモンドを疾走した。「打ち慣れている人なら優雅に回れるけど…」。あまりに速い一周にナインも大慌てでベンチを飛び出し手荒く出迎えた。

 快進撃のキーマンとなっているのが秋山だ。片岡の離脱により、渡辺監督は後半戦開幕の7月25日ロッテ戦(西武ドーム)から2番に置いた。中島、中村とリーグ屈指の3、4番コンビを並べる西武にとって、2番の役割は重要だ。小技ができる2番タイプの新人・永江も候補だったが、攻撃の選択肢が広がるとの理由で、長打力に加えて足もある秋山を選んだ。

 後ろを打つ中島も秋山をサポートしている。「慣れてない打順。でも(相手に)球数を放らさないといけないなら、僕がやればいいこと」と話す。失敗を恐れない積極性が初球打ちのサヨナラ本塁打となった。これで秋山が2番に座った36試合は22勝10敗4分けで勝率・688。栗山の離脱で1番に入った4年目の21歳・浅村との若いコンビで打線を盛り上げる。

 日本ハム・斎藤と同期の黄金世代。昨季は新人で開幕スタメンを果たしたが、今季は左太腿裏痛などで開幕は間に合わなかった。悔しさと持ち前の真面目さでここまでたどり着いた。「塁に出る、進めるという役割が明確になった。でも、きょうはホントにまぐれです」。ヒーローはどこまでも謙虚だが、渡辺監督は「大きな1勝。勢いがつく。秋山は思い切りの良さと(前日の)リベンジで打席に入ってくれた」と喜んだ。こんな若獅子が、大逆転Vへ突き進むレオを支えている。

 ≪116試合目で達成≫西武が秋山の本塁打でサヨナラ勝ち。今季西武は4度サヨナラ負けを喫していたが、サヨナラ勝ちは初めてだ。チーム116試合目でのシーズン 初サヨナラ勝ちは03年9月10日ロッテ戦(124試合目)で記録して以来の遅いものになった。また、西武でソフトバンク戦にサヨナラ弾を放ったのは02年6月20日の犬伏以来10年ぶり。

 ≪8日にもM20点灯≫2位の日本ハムが敗れたため、西武に早ければ8日にも優勝へのマジックナンバーが点灯する。条件は西武が6日のソフトバンク戦から8日の楽天戦まで3連勝。その間、日本ハムがオリックスに2連敗することでM20が出る。

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