元甲子園球児横領で逮捕 佐賀商で05、06年夏出場

[ 2012年9月5日 06:00 ]

 佐賀県警諸富署は4日までに、業務上横領の疑いで会社員今村弘法容疑者(24)を逮捕した。同容疑者は佐賀商業高校(佐賀市)の野球部OBで、05年と06年の夏の甲子園大会に出場。06年には一塁のレギュラーだった。

 逮捕容疑は10年12月中旬から11年2月下旬、経理係として勤務していた佐賀市の鉄鋼会社で、保管中の現金計約31万円を横領した疑い。逮捕は3日。「身に覚えがない」と容疑を否認している。

 高校生当時の野球部関係者によると「強打が持ち味で、器用なタイプではなかった」という。しかし、会社に入ってからは小技を駆使して横領を繰り返した。諸富署によると手口は、以前の決算で精算済みの領収書やレシートをつづりからはがし、印字された日付を修正液で消し、ボールペンで新しい日付に書き直して、新たな決算に水増ししていた。

 1回当たりの金額は数千円から2万円ほどで、計17回繰り返した。11年2月、上司が改ざんに気付いて発覚。会社は翌月に今村容疑者を解雇。同5月、諸富署に業務上横領容疑で告訴した。

 05、06年の夏の甲子園で、佐賀商はいずれも初戦敗退。今村容疑者もノーヒットのまま聖地を去った。当時の今村容疑者を知る関係者は「練習ではよく打つが、本番になるとからっきし。勝負弱いんです」と証言する。

 一方で、鉄鋼会社に入社直後は「野球のプロテストを受ける」と宣言し「周りをあきれさせたこともあった」と同関係者。「名門で3年も厳しい練習を積み、甲子園まで行ったというのに本当に情けない話」と、元甲子園球児の転落を嘆いている。

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2012年9月5日のニュース