今井「ビックリ」初完封!指揮官「やりやがったねぇ」

[ 2012年9月2日 06:00 ]

<神・広>広島・今井は完封勝ちを収め梵(左)らナインとハイタッチ

セ・リーグ 広島1-0阪神

(9月1日 甲子園)
 1―0の9回、広島に最後のヤマ場が待っていた。1死二塁のピンチ。しかし7年目右腕の今井は金本を右邪飛に仕留めると、最後の打者・ブラゼルにはこん身の132キロフォークで空振り三振。右拳を握り締め、プロ初完投初完封の喜びに酔いしれた。
【試合結果】

 「自分でもビックリです。完封はうれしいけど、チームが大事な時期なので、勝利に貢献できたことがうれしいです」

 新潟・中越から05年高校生ドラフト2巡目で入団。黒田(ヤンキース)にフォームが似ていることから「黒田2世」と期待されたが、昨季まで6年間でわずか2勝。完投すらしたことがなかった。それが金本、ブラゼルを無安打に抑えるなど堂々たる投球を披露。特に最後の打者・ブラゼルには前回登板の26日(マツダ)に3ランを浴びたばかりだったが「四球でもいい。ワンバウンドでもいい」。その開き直りが好結果を呼び込んだ。

 110キロ台のカーブと140キロ台中盤の直球で緩急をつけ、決め球のスライダー、フォークが切れた。最後のブラゼルの三振が10個目。初回にエルドレッドの先制打で挙げた1点を最後まで守り抜いた。野村監督は開口一番「やりやがったねぇ」と笑った後で「1―0で勝てる試合は少ない。きょうは今井に尽きる。4回の角度のある球を見て、“もしかしたら”と思っていた。自信にしてほしいね」と絶賛した。

 プロ最多の134球を投げ抜きチームの連敗を2で止めた。3位を争うヤクルトとの2ゲーム差もしっかりと守った。「絶対にクライマックスシリーズへ行きたい。これからも勝っていきたい」。飛躍のきっかけはつかんだ。これからはCS進出への救世主になる。

 ◆今井 啓介(いまい・けいすけ)1987年(昭62)5月24日、新潟県生まれの25歳。中越では3年夏の新潟大会決勝で敗れ、甲子園出場を逃した。05年高校生ドラフト2巡目で広島入り。通算50試合で4勝14敗1セーブ、防御率3.68。1メートル83、80キロ。右投げ右打ち。

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