先制、引導弾!ぜ~んぶ阿部でM24 中日戦連敗止めた

[ 2012年8月31日 06:00 ]

<巨・中>5回2死一塁、右越え2ランを放つ巨人・阿部

セ・リーグ 巨人9-3中日

(8月30日 郡山)
 竜に「引導」を渡した。巨人は30日、中日戦で阿部慎之助捕手(33)が初回に犠飛で先制の打点を挙げると、2点リードの5回にダメ押しの2点本塁打。阿部の6年連続の20号を含む2安打3打点の活躍で、チームは対中日戦の連敗を4でストップ。2位・中日とのゲーム差を再び6とし、3年ぶりの優勝へのマジックナンバーは「24」となった。

 決定的な仕事ができるからこそ4番だ。2点リードの5回2死一塁、カウント2ボール。16日の対戦で7回を無得点に抑えられた中田賢の144キロの直球を、思い切り振り抜いた。6年連続20号となる2ラン。逆転Vへ追いすがる中日に「引導」を渡す一撃だった。

 「3連敗は絶対にできなかったし、とにかく価値あるホームランになってよかった。2死だったので、思い切って振っていった。ちょっと詰まったけれど、うまく押し込めた」

 2位・中日に秋田、盛岡で連敗。東北シリーズを白星なしで終えるわけにはいかなかった。その思いを誰より強く持っていたのが主将の阿部だ。初回1死二、三塁から先制の中犠飛。2点を追う4回1死からの右前打は5連打4得点の逆転劇の口火となった。そしてトドメの20号で2安打3打点。さすが、だった。

 ひそかなプロジェクトが達成目前だ。安田学園の先輩でもある橋上戦略コーチが今季のテーマの一つに「阿部の首位打者獲得」と掲げた。打率・325で突入した8月。両足首を痛めた影響もあり一時は打率・307まで急降下。だが、最近5戦で3本塁打を含む9安打9打点と復調し打率・319まで戻した。2人で確認したのは「見逃し三振を恐れないこと」。打席で打つべきボールを絞ることを徹底した。

 安易に打ちにいくことが減り、昨年35個だった四球は今季は54個。逆に三振は、114試合出場で66個だった昨年から、今季は109試合で40と激減し、安定感が増した。打率に加え、78打点で目下リーグ2冠。本塁打もヤクルト・バレンティンに6本差に迫り、捕手では65年の南海・野村以来、47年ぶり2人目の3冠王も夢ではない。

 今季を「慎之助のチーム」と位置づける原監督は、「この2試合はストレスがたまっていたでしょう。やっぱり4番が打つと勝利が近づきますね」。中日との直接対決は残り3試合まで減っただけに、3年ぶりの優勝を大きく引き寄せる1勝だった。

 ≪捕手単独3位≫阿部(巨)が5回に20号。自身シーズン20本塁打以上は6年連続通算8度目。巨人の打者でシーズン20本塁打以上を8度は王19度、長嶋13度、原12度、松井9度に次ぎ5人目になる。また、捕手では野村(南海)18度、田淵(神)9度に次いで3人目。6年連続は野村17年、田淵7年に次ぎ、木俣(中)、城島(ソ=現神)の5年を抜いて単独3位に。

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2012年8月31日のニュース