ハム救世主だ!2年目20歳西川、初3番で千金適時打

[ 2012年8月31日 06:00 ]

<日・西>3回2死三塁、初の3番に抜てきされた日本ハム・西川は左前適時打

パ・リーグ 日本ハム2-0西武

(8月30日 札幌D)
 チームの危機を救ったのは20歳の力だった。3回、1点を先制してなお2死三塁。日本ハム・西川が2球で追い込まれながらファウルで粘り、9球目に甘く来たスライダーを左前に運んだ。

 「(3番は)チャンスで回ってくることは分かっていたけど、気負わずいこうと。でも必死でした」

 糸井が左脇腹を痛め、前日には田中が左腕を骨折。主力が相次いで離脱する緊急事態で「3番・二塁」に抜てきされたのが2年目の西川だった。新人だった昨年は6月に右肩の手術を受けるなど、守備には不安は残す。それでも、栗山監督は若い力に懸けた。失策も記録したが、8回には意表を突く三盗も決めた。その姿に、指揮官は「必死に戦うという思いを体現してくれた」と目を細めた。

 19日のロッテ戦(札幌ドーム)。1―2の9回2死満塁の好機で一邪飛に倒れた。チームのためになれず、責任を背負い込んだ。ロッカールームで落ち込む西川は、仲間から肩を叩いて慰められたが、逆につらかった。悔しさをはねのけるためにバットを振り込み続けた。

 チームを離れた2人の先輩への恩返しの気持ちもバットに込めた。今季開幕1軍を果たした際には田中に食事に誘ってもらった。また、糸井は智弁和歌山時代からの憧れの選手。高3の時にテレビで見た逆方向への本塁打にくぎ付けとなった。そして同じチームとなり、糸井が10年まで背負っていた背番「26」を受け継いだ。「2人のカバーはできないけど、自分らしさを前面に出して頑張りたい」と言葉に力を込めた。

 「若い力でチームをもう一回奮起させないといけないと思った」と西川。西武に一矢を報い、再び首位戦線に食らいつく。

 【西川 遥輝(にしかわ・はるき)】

 ☆生まれ 1992年(平4)4月16日、和歌山県生まれの20歳。智弁和歌山から10年ドラフト2位で入団。1メートル79、73キロ。右投げ左打ち。血液型A。

 ☆球歴 小1から野球を始め、中学で所属した打田タイガースで2年時に全国V。智弁和歌山に進学し、1年春からレギュラーとなり県大会で4本塁打を記録した。夏の甲子園は3度出場。3年センバツは、春夏連覇の興南に2回戦で敗退。

 ☆マンガ好き 昨年1月に鎌ケ谷の勇翔寮に入寮する際には、実家から本棚ごとマンガを持参。その量は「部屋が漫画喫茶みたいになってます」というほど。

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2012年8月31日のニュース