「ハートだ、ハートだぞ！」のブランコ　今度は２発

＜巨・中＞８回１死、この日２本目の本塁打を放つ中日・ブランコ

セ・リーグ 中日４－２巨人

（8月29日 盛岡）
　１軍復帰した２８日は試運転だったのか。２本の適時打を放ったものの詰まった当たりだった前夜から一転、中日・ブランコがこの日は豪快な２本塁打で巨人を粉砕した。

　「１軍に上がってすぐに、こんなにいい結果が出てうれしいよ」

　まずは１―０の３回。１死から失策で生きた和田を一塁に置き、江柄子の、１３９キロの直球をバックスクリーンに叩き込んだ。６、７回の失点で巨人に追い上げムードが漂った８回には、滞空時間の長い１８号ソロを左翼席に運んだ。

　復帰２試合で７打数４安打５打点。打席では、骨折した左手を保護する装具をつけている。痛みはないというが、２軍で２試合に出場しただけで緊急昇格しただけに「まだ実戦感覚は少ない」との本音も。それでも、ブランコ不在の期間は約３試合で１本しか本塁打のなかった打線に脅威が加わり、さらに来日４年目の助っ人は前日から試合前の円陣で声出し役を務め「ハートだ、ハートだぞ」とナインを鼓舞。単なる起爆剤以上の存在となっている。

　試合後のインタビューでは盛岡のファンを前に「震災で大変だったと思うけど、応援が力になった」とメッセージを送った。優しく、そして頼もしい男が帰ってきた。