一発出れば7連勝!おかわりV21号 李大浩に並んだ

[ 2012年8月30日 06:00 ]

<日・西>7回無死一塁、2ランを放った西武・中村はナインとハイタッチ

パ・リーグ 西武3-1日本ハム

(8月29日 札幌D)
 西武の中村剛也内野手(29)が29日、日本ハム戦の7回に決勝の21号2ランを放ち、リーグトップのオリックス・李大浩内野手(30)に並んだ。球宴以降、中村が本塁打を放った試合は7連勝。後半戦のチームの快進撃は、中村のバットによるところが大きい。これで2位・日本ハムとは2ゲーム差。西武が首位攻防戦に連勝し、混戦のパ・リーグから一歩抜け出そうとしている。

 中村が放った打球は、中堅フェンスを越えて跳ね返り、グラウンドに落ちてきた。「打った瞬間に入ったと思ったけど、ボールが転がって来ていたので」と一瞬きょとんとしたが、審判の右手を回すしぐさを確認し悠々とダイヤモンドを回った。

 同点に追いついた直後の7回無死一塁。2ボールからの3球目、宮西の直球をとらえた。3試合ぶりの一発は、オリックス・李大浩に並びリーグトップの21号2ランになった。「どうでもいいっす」と本数には興味を示さないが、決勝弾となったことには「結果を出したかった。いいところで打てたかな」と満足そうに振り返った。

 7月上旬に痛めた左膝の状態は、今も万全ではなくDHでの出場が続く。無意識に左膝をかばいバランスを崩すことを防ぐため、試合後には全身のマッサージを受け、体のケアを欠かさない。同期入団の主将・栗山が不在となる苦しい状況で、主砲はグラウンドに立ち続けている。球宴後、自身が本塁打を放った試合は7連勝。4番の働きがチーム成績に比例することは誰よりも分かっている。

 だからこそ、中越えへの一発は、試合前からイメージを膨らませていた。フリー打撃前に行うティー打撃。他の選手はスタッフにトスを上げてもらった球をネットに打ち返すが、中村はスタンドに球を置き、止まった球を正面に打ち返すことを重視する。「バットの軌道をしっかり出さないとうまく当たらないんですよ」と、理想の角度を確認する作業だ。この日はいつも以上に、打球を上げる角度で打ち込んだ。「ロースコアになるのは予想していた」。自らの一発が試合の勝敗を左右する予感もあったのだろう。

 チームは日本ハムとの首位攻防戦で2試合連続の逆転勝ち。貯金を2年ぶりに10としたが、渡辺監督は「まだまだ試合数はある。カードの頭と2戦目を取れたということ」と引き締めた。残りは34試合。4年ぶりのリーグ制覇へ、中村は「このまま一気にいきたい」と力を込めた。

 ≪球宴後は7連勝空砲なし≫中村(西)が7回に勝ち越しの21号2ラン。宮西(日)とは前日まで通算8打数1安打(打率.125)、4三振と相性が悪く、本塁打、打点とも初めてになった。また、今季中村の先制、同点、勝ち越し、逆転の殊勲アーチは13本目。これで両リーグではミレッジ(ヤ)と最多で並び、パでは李大浩(オ)、ペーニャ(ソ)の8本を大きく引き離し断トツ。球宴直前までの西武は5位に低迷し、中村が本塁打した試合にチームは7勝5敗(勝率.583)だったが、球宴後は負けなしの7連勝と空砲がない。

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2012年8月30日のニュース