総合3連覇へ最高のスタート 兵庫28歳ベテランが決めた!

[ 2012年8月27日 10:00 ]

決勝打を放った兵庫の坪内瞳

 日本女子プロ野球リーグは26日、わかさスタジアム京都で後期の1試合を行い、兵庫スイングスマイリーズが京都アストドリームスを8-6で下した。

 どちらに転ぶかわからないシーソーゲーム。最後は28歳のベテランが終止符を打った。6-6で迎えた最終回、1死一塁から佐藤と厚ヶ瀬の連打で満塁の好機を作ると、2番坪内は強い信念を胸に打席へと向かった。「絶対ここで決めてやる。内野をなんとか越そうと強く振り抜く気持ちでいきました」。代わったばかりの京都3番手河本の外角直球を叩くと、鋭い打球は遊撃手の右をかろうじて抜けた。土壇場で一気に2人が還り、後期開幕戦で初勝利を確実にした。

 兵庫で総合2連覇していた坪内は、今季初めて前期の優勝を逃し、負けるつらさを味わった。それだけにこの後期開幕の京都戦に懸ける思いは特別だった。「前期が京都に惨敗という形で終わり、本当に悔しかった。また監督交代もあって、選手全員でまとまらなきゃいけないという気持ちをより一層強く持って練習に取り組んだ」。

 兵庫が前期終了後に掲げた目標、「全員野球」。強力打線を持つ王者京都に勝利するには、接戦で食らいつくしかない。どんな形でも塁に出ることが優先。この日もバントなど、小技を生かしては3つのエラーを誘い、パスボールやワイルドピッチなど、バッテリー間のエラーも誘発させた。

 投げても、中継ぎで登板するなどフル回転だった坪内。投打に出場機会は増えることを見越してこの2カ月のW杯休止期間は体をいじめ抜いた。「走り込みはしっかりやってきました。スピードでは若い選手に負けますが、気持ちは強く持って練習には取り組んできました。28歳で一番下は10個も下なので、ちょっとつらいですけどね」。冗談交じりに話すが、まだまだ若手にその座を譲る気はない。

 宿敵京都に競り勝ち、総合3連覇へ最高の一歩を踏み出した兵庫。その鍵は坪内を筆頭にベテラン勢が握っていることは間違いない。京都へのリベンジはまだ始まったばかりだ。

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