バレと7本差…阿部19号 ノムさん以来の捕手3冠王も

[ 2012年8月27日 06:00 ]

<D・巨>6回無死一塁、中越えに2ランを放った巨人・阿部は、ナインに出迎えられる

セ・リーグ 巨人11-3DeNA

(8月26日 横浜)
 とどめの一打も巨人・阿部のバットから生まれた。9―0の6回。篠原の初球スライダーを、バックスクリーン右横へ放り込んだ。リードを11点に広げる2試合連発の19号2ラン。大技、小技を絡め、敵のミスにもつけ込んだ大勝の中で、4番の存在感が際立った。

 「(本塁打は)自然と体が反応してくれた。つなぐ意識で、中飛かと思ったけどよく伸びてくれた」。初回は一ゴロ失策の間に先制点をもぎ取り、2回には2点左前打。打つだけでなく、この日は本職の捕手として17日の広島戦(東京ドーム)以来8試合ぶりに先発マスクをかぶり、20歳の宮国を好リードした。

 これで今月は月間最多の7本塁打。「長打は意識しない。それが逆に(距離が)出ていると思う。長打を狙いすぎると逆に打てない」と話す。打率・315、74打点はリーグ2冠を独走。本塁打もトップのヤクルト・バレンティンに7本差の2位タイに浮上した。そのライバルは右でん部の肉離れで2日に出場選手登録を抹消され、復帰は早くて9月上旬とされる。捕手では65年南海・野村克也以来の逆転3冠王も夢ではなくなってきた。

 左足首に不安を抱え一塁での起用が続いたが、24日には捕手での出場を直訴。首脳陣の判断でこの日に持ち越され、本来の居場所で躍動した。岡崎ヘッドコーチは「捕手としての力もある。4番・捕手でいてくれた方がいいし、今後はずっと出られる状態」と話した。

 中日が敗れ、マジックを一気に2つ減らし26とした。28日からは東北遠征でその中日との直接対決3連戦。「過酷な日程だが、何とか勝てるよう頑張る」と阿部。元気印の主将に攻守で導かれ、カウントダウンを加速させる。

 ▼巨人・原監督(4打点の阿部について)うちの攻守の軸として非常にいい働きをしてくれている。(中日戦は)一戦一戦という中で、非常に大事な試合になるという認識は持ってます。

 ≪逆転3冠王の可能性も≫阿部(巨)が19号を含む3安打4打点。打率・315、打点74と2部門でトップに立つが、本塁打王争いでもバレンティン(ヤ)の26本に7本差の2位タイに浮上した。特に8月は23試合で7本塁打を放ち、セではミレッジ(ヤ)、後藤(D)の6本を抑え最も多い。巨人の残りは33試合。バレンティンの状態次第だが、阿部が現在の生産ペースを維持できれば逆転3冠王の可能性もありそうだ。過去、3冠王は7人で11度記録されている。うち、捕手では65年野村(南海)だけ。阿部が47年ぶり2人目の快挙に手が届くか。

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2012年8月27日のニュース