これが巨人のエースだ!内海 ハーラー単独トップ12勝

[ 2012年8月25日 06:00 ]

<D・巨>12勝目を挙げガッツポーズの巨人・内海

セ・リーグ 巨人3-1DeNA

(8月24日 横浜)
 2年連続最多勝へばく進だ!巨人の内海哲也投手(30)が24日、DeNA戦でハーラー単独トップの12勝目を挙げた。7回2死まで無安打に抑える快投で、8回2/3を3安打1失点。これぞエースの投球を見せた。セ・リーグ6球団はこの日から「グレートセントラル」と名付けた合同イベントを開催。原辰徳監督(54)が入団1年目だった81年のリーグ優勝時の復刻ユニホームを着用したチームは6連勝で、優勝マジックを1つ減らして29とした。
【試合結果】

 エースとしての責任感。内海は「最後まで投げるつもりだった。最後は悔しいですね」と切り出した。8回2/3を1失点で、リーグ単独トップに立つ12勝目。しかし、あと1人でマウンドを降りたことが悔しかった。

 2試合連続の完封、完投を、狙いにいった。前日までのヤクルト3連戦(神宮)は先発が崩れ、中継ぎ投手をのべ14人投入して16イニングも酷使していた。加えて前日には、10勝とチームをけん引してきた杉内が左肩の違和感を訴え、出場選手登録を抹消された。「神宮で中継ぎがあれだけ投げていた。いつもより投げ抜く気持ちは強かった」。投手陣の窮地にエースの本懐が問われた。

 気持ちは投球に出た。「2球で追い込む」と決め、2回1死まで打者4人にボールは1球もない。「制球が良く、初球からコースにしっかり投げられた」。7回2死からラミレスに三塁内野安打されるまで無安打投球。8回終了で球数96と理想の完投ペースで進めたが、9回2死二塁でラミレスを迎えたところで、西村の救援を仰いだ。

 前日には杉内と言葉を交わし、後を託された。「一番悔しいのは杉内さん。その気持ちをこらえ声を掛けてくれた」。FA加入の2歳上の先輩を「俊兄(としにい)」と慕い、同時に開幕投手争いを公言し競い合ってきた。強固な柱の一角が抜け「僕と沢村中心に頑張るとき。負け続きで杉内さんが前倒しで復帰にならないように」。結果が決意を雄弁に語った。

 この日は81年の復刻ユニホームに袖を通した。祖父・五十雄さんも巨人の選手としてつけた背番号26。81年当時は西本聖氏が背負い、沢村賞に輝いた。「僕なんか獲れないと思うけど、頑張ります」と頭をかいた内海だが、当時ソフトバンクの杉内が05年に獲得して以来、左腕では7年ぶりの沢村賞への期待も膨らむ。「僕たちは絶対優勝します」。チームを6連勝に導いた有言実行のエースは高らかに宣言した。

 ▼巨人・川口投手総合コーチ(内海について)何の注文もつけられない。(5試合連続登板中の山口には)ロッカーで寝てろと。

 ▽81年の巨人 長嶋監督退任を受け、藤田監督が就任。5月5日以降は首位を1度も譲らず9月23日にリーグ優勝を決めた。江川が20勝、防御率2.29、221奪三振、勝率.769で投手4冠。西本は18勝で沢村賞に選出された。打線は3番・篠塚、4番・中畑、5番・原に、ホワイト、トマソンらが活躍。シリーズは、ともに後楽園を本拠地とする日本ハムを4勝2敗で下し日本一に輝いた。なお、MVPはシーズンが江川、シリーズは西本が選ばれた。

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