小久保V打で6連勝!敵地でブーイング「思い出に残るよ」

[ 2012年8月22日 06:00 ]

<西・ソ>7回2死一、二塁、ソフトバンク・小久保(左)は先制の左前適時打を放ちガッツポーズ

パ・リーグ ソフトバンク4-0西武

(8月21日 西武D)
 懐かしいダイエー時代の応援歌が耳に入った。14日に今季限りの引退を表明してから初の先発出場。ファンも特別な思いで見てくれているとソフトバンク・小久保は感じていた。

 「緊迫した試合。いいところで打つことができた。勝手に辞めると言って6連勝。(連勝が)伸びればいいね」

 7回2死まで打線は岸の前に無安打だった。だが、2死から一、二塁とし、外角高めの122キロスライダーを左前へ先制適時打。引退表明後初のタイムリーがチームを今季初の6連勝へ導く決勝打となった。

 19日のオリックス戦(京セラドーム)で右手薬指を突き指した内川が欠場し、新外国人アレンは打率・222と低調。「小久保の力が必要な時がある」と語っていた秋山監督は背番号9に白羽の矢を立てた。「どうせなら活躍して、惜しまれて辞めたい」。引退興行ではなく、最後まで優勝のための戦力になると誓った40歳。11日の楽天戦(ヤフードーム)以来8試合ぶりの先発に「8回の守備で足がつったよ」と苦笑いしたが、9回にも左前適時打を放って2打点と気を吐いた。

 「全ての球場で現役最後やと思ってやってるよ。ここ(西武ドーム)は渡辺久信さんから、延長で初球カーブをホームランしたことを、ふと思い出した」。プロ2年目だった95年8月23日の西武戦。渡辺久から延長12回に勝ち越しの22号ソロを放った。そんな思い出が頭をよぎったが、ヒーローインタビューはまさかのブーイングに包まれた。2死球で栗山、浅村が交代したことへの抗議と思われるが、異様な空間さえ「ブーイングの中のインタビューは初めて。これも思い出に残るよ」とほほ笑んだ。

 「小久保がワンチャンスをものにしてくれた」と秋山監督。引退表明から負けなしの6連勝。チームは、この男にリーグ3連覇、日本シリーズ連覇の「花道」を贈るため一丸となって戦っている。

続きを表示

2012年8月22日のニュース