1イニング3発空砲も…原監督「引き分けは大きい」

[ 2012年8月22日 06:00 ]

<ヤ・巨>5回2死二塁、上田に左前適時打を打たれ、舌を出して悔しそうな表情の巨人・沢村

セ・リーグ 巨人6-6ヤクルト

(8月21日 神宮)
 やはり神宮の杜は鬼門なのか。巨人は1イニング3発、得意の空中戦でも勝てなかった。

 「総力戦だな。沢村は中継ぎに重圧をかけてしまった」。原監督が振り返ったように、ベンチに残った野手は1人、救援投手は2人という総力戦での引き分けだった。

 1点を追う5回。10年8月26日の中日戦(東京ドーム)以来、2年ぶりの1イニング3本塁打で一気に逆転した。先頭の実松の1号同点ソロに始まり、坂本2ランに阿部ソロという2者連続弾。一気に3点差をつけ、主導権を握ったはずだった。

 しかし、その裏だ。先発の沢村が代打・武内にソロ本塁打を許すなど2失点。結局、5回4失点で降板し、沢村は「悔しい。6点取ってもらって勝てないのは投手の責任。先発が5回で降りているようではチームとして計算が立たない」と自らを責めた。続く6回は2番手の福田が先頭から2四球で与えたことをきっかけに同点に追い付かれた。川口投手総合コーチは「試合の流れの中では、あの2四球が一番痛かった」と指摘した。

 これで神宮では今季1分け3敗と白星なし。それでも、貯金30で優勝へのマジックナンバー点灯を目前にしているチームとしては、負けなかったことが一番。原監督も「(沢村は)3、4点目がいけなかった。でも、引き分けたのは大きいよ」と、その口調に暗さはなかった。

 ▼実松(5回先頭。左越え今季1号ソロ)来た球を打っただけです。打つ方で貢献できていなかったので良かった。

 ▼坂本(5回2死二塁。左越え10号2ラン)あれだけコントロールのいい投手。全部の球種を追っていても打てない。(シンカーを)前でしっかりと捉えられた。

 ▼阿部(5回2死。右越え17号ソロ)完璧な当たり。(狙いを)絞らずにぼんやりと待っていた。体がうまく反応してくれた。

 ≪統一球導入後は初≫3連勝中の巨人はヤクルトと引き分け。5回には実松、坂本、阿部が本塁打。巨人の1イニング3本塁打は10年8月26日中日戦の1回に坂本、ラミレス、長野が放って以来2年ぶり。統一球が導入された11年以降ではチーム初めてだ。この日は起用投手が6人で奪った得点は6点。今季の巨人は6投手を起用した試合に5勝0敗1分け。また5点以上を奪った試合に31勝0敗3分けといずれも負けがない。なお、巨人22日にヤクルトに勝ち、中日が阪神に敗れると、巨人に優勝へのマジックナンバー「31」が出る。

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2012年8月22日のニュース