43歳・山崎 油断見抜き二塁へ「セーフの確信あった」

[ 2012年8月22日 06:00 ]

<神・中>9回無死、左中間への打球で激走し二塁打にする中日・山崎

セ・リーグ 中日1-0阪神

(8月21日 京セラD)
 43歳の大ベテランは、二塁まで走ってこないだろうという相手の油断を見逃さなかった。9回、中日先頭の山崎は藤川の150キロ直球を完璧に捉え、打球は左中間へ。あらかじめ長打警戒で深く守っていた中堅・大和は俊足を飛ばし、ワンバウンドで打球に追い付いた。

 本来なら単打の打球。しかし、山崎は一塁を蹴った。「セーフの確信があった」。105キロの巨体を揺らして二塁に滑り込み、間一髪セーフ。ここで代走・岩崎達と交代し、犠打で送った1死三塁から平田の遊撃強襲二塁打で決勝点を挙げた。

 山崎は言う。「捕り方を見て“俺の足でも行けるかな”って」。広い守備範囲を誇る大和は打球に直線的に走るのではなく、やや膨らみながら捕球。追い付いたことで安心したのか一瞬、フェンス方向に目を切った。さらに捕球してから送球までに4歩かかった。元阪神の名中堅手・赤星憲広氏(本紙評論家)は「1歩多い」と指摘する。

 山崎は大和の捕球体勢を見て、瞬時に判断した。「走塁は遅いなりに、うまくターンするとか、1、2歩の勝負になってくる」。2軍から18日に戻ってきたばかりの43歳。「1歩」を見逃さず、1―0の勝利を呼び込んだ。

 ▼阪神・和田監督 あそこで走ってくるのが中日の怖さ。それが(守備陣の)頭に入っていれば。

 ▼阪神・大和 跳ねることを予想して後ろにいました。すぐに投げたと思いますが、送球がそれてしまった。

 ▼中日・平田(9回に遊撃強襲の決勝打)初球から思い切り、狙っていきました。いい形が出ているので、波に乗りたい。

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