負けても凄かった松井 奪三振率は驚異の17・00

[ 2012年8月21日 06:00 ]

<桐光学園・光星学院>8回表2死一、二塁、北條(奥)に2点適時二塁打を浴びた松井は悔しげな表情を浮かべる

第94回全国高校野球選手権大会準々決勝 桐光学園0-3光星学院

(8月20日 甲子園)
 泣くな、松井――。準々決勝2試合が行われ、桐光学園(神奈川)の松井裕樹投手(2年)が光星学院(青森)戦で、4試合連続2桁奪三振となる毎回の15三振を奪ったが、0―3で敗れた。4強進出こそならなかったが、4試合で68奪三振、奪三振率は驚がくの17・00。甲子園に、全国の野球ファンに鮮烈な衝撃を与え、2年生投手の夏が終わった。
【組み合わせ】

 マウンドではなく、ネクストバッターズサークルで松井の夏は終わりを告げた。

 「ゼロで抑えなきゃいけなかったけど、(相手打線の)振りが鋭くて…。3年生に申し訳ないです」

 涙があふれて止まらなかった。よろけながら三塁側アルプス席へ。グラウンドを出るまで嗚咽(おえつ)は続き、視界はかすんだ。

 ついに力尽きた。2季連続甲子園準優勝の強打の光星学院相手に、7回まで3安打無失点で踏ん張った。だが、「体力が落ちてきた。腕が重くて振れなかった」という終盤。8回につかまった。2死一、三塁から田村、北條に連続適時打を浴びて決定的な3点を失った。3回戦までの3試合を1人で投げ切り、1試合平均の球数は141球。浦添商戦で完投した前日は、スーパー銭湯で温冷交代浴。その後に酸素カプセルに1時間入り、マッサージも受けたが、2試合連投で体力は限界だった。いつもなら投球後に軸足の左足が大きく蹴り上がったが、この日はフォームから躍動感は奪われた。

 敗れはしたが、記録と鮮烈な記憶を残した。1回戦・今治西(愛媛)戦で大会記録の22奪三振をマークしてから一躍、今夏の主役となった。「プレッシャーもある。でも歴史に恥じない投球をしたい」と4試合で計68奪三振。甲子園通算15勝を挙げ「世紀の剛球投手」の異名を取った楠本保(明石中)が32年にマークした4試合での通算奪三振数(64)も80年ぶりに更新した。1大会68奪三振は左腕投手としては史上最多となった。球筋が見やすいとされる右打者から37奪三振。この日の9回、通算で打者132人目まで、三ゴロは一つもなかった。引っ張ることすらさせなかった。

 「自分はまだまだだと思った。下半身をもう一回つくり直して、もっと力を付けたい」

 甲子園に帰って来るチャンスはあと2回もある。

 ▼桐光学園・野呂雅之監督(松井について)三振よりもチームの勝利を考えてくれた。いい財産になった。これを糧に、一回りも二回りも大きくなってほしい。

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