吉田、伊調に続いた!マドンナジャパン史上初のV3

[ 2012年8月21日 06:00 ]

米国を下して史上初の3連覇を達成し、胴上げされる新谷監督

第5回IBAF女子野球W杯決勝 日本3-0米国

(8月19日 エドモントン)
 第5回IBAF女子野球W杯は19日(日本時間20日)、当地で決勝を行い、日本代表「マドンナジャパン」が米国を3―0で下し、史上初の3連覇を達成した。日本は3回に押し出し死球と金由起子(34=ホーネッツ・レディース)の右前適時打で3点を先制。先発の磯崎由加里(21=尚美学園大)が7回7安打無失点で完封した。MVPには大会通算3勝の磯崎が選ばれた。

 3連覇を示すマドンナたちの3本の指がエドモントンの空に輝いた。投手として西武などで活躍した新谷博監督は金メダルと優勝トロフィーを手にしたナインに胴上げされ「最高のチームワーク。これだけ頑張っている女の子たちがいることを日本の方に知ってもらいたい。それぐらい価値ある偉業です」と称えた。

 予選ラウンドで敗れた米国に雪辱した。立役者は先発の磯崎だ。前日の準決勝オーストラリア戦で114球完投したが、連投のマウンドで7回7安打で米国打線を完封。見事MVPに輝いた。

 「(過去に)連投はないと思う。でも、いつでもいける準備をしていた。負けられない試合で緊張したけど、今はホッとしています」

 打線も援護した。3回2死から振り逃げと連続安打で満塁とし、押し出し死球で先制。さらに金が右前へ2点打を放った。「うまい所に落ちて本当に良かった」と金。このリードを磯崎の粘りの投球とバックの好守で守り抜いた。

 競技人口の少ない女子野球。認知度を上げるには勝つしかなかった。昨年就任した新谷監督は代表選考会を兼ねた合宿で選手間の競争心をあおった。今春には女子プロリーグ選抜と強化試合をこなし、プロから初めて5選手を選んだ。指揮官はサッカー女子の「なでしこジャパン」の名前を出し「なでしこはなでしこで頑張って、マドンナはマドンナで頑張る。両方が頑張れば一番いい。もっともっと見てもらいたい」と言った。強化費は日本プロ野球機構(NPB)からの援助を受けているが、今後は裾野を広げる起爆剤にしなければならない。

 真夏の大会。宿泊先の大学施設に冷房施設がなくても、選手は弱音ひとつはかずに戦い抜いた。その姿は女王にふさわしかった。

 ▼加藤良三コミッショナー 世界を相手にした舞台でのV3は、真の力を備えていなければ達成することができない偉業。ロンドン五輪における日本人選手の活躍に続き野球界からも快挙が生まれたことを大変喜ばしく思います。

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2012年8月21日のニュース