作新学院 辞退せず…2年生野球部員、強盗容疑で逮捕

[ 2012年8月19日 06:00 ]

一礼して記者会見に臨む作新学院高校の長谷川勝比古校長(右)ら

 甲子園で開催中の第94回全国高校野球選手権大会に出場している栃木代表・作新学院の2年生の野球部員が、17日に強盗容疑などで宇都宮中央署に逮捕されていたことが18日、分かった。

 逮捕容疑は10日午前6時50分ごろ、宇都宮市内の雑木林で少女(16)の膝に軽傷を負わせた上、現金数千円を奪うなどした疑い。同署によると、生徒は少女の体に触ったことは認めているが「現金は奪っていない」と容疑を否認している。

 同校によると、生徒は9日の1回戦・佐久長聖(長野)戦を甲子園で応援し、10日朝に栃木に戻った。生徒は甲子園の登録メンバーではなかった。この日午前中に記者会見した長谷川勝比古校長は「非常に重大な事件で強く責任を感じている」とした上で「今のところ辞退は考えていない」と述べ、19日に予定されている3回戦・仙台育英(宮城)戦に出場する意向を示した。

 17日に作新学院側から報告を受けた日本高野連の大会本部は、この日の第2試合終了後に報道陣に対応し、3回戦以降の出場を認めると発表した。西岡宏堂(ひろたか)審議委員長は「部員1人だけが起こした犯罪の場合は、出場を止めないという原則に倣った」と説明。今後は学校側からの正式な報告書が届き次第、審議委員会で処分について話し合われる。

 作新学院ナインにはこの日の午前中に、部員逮捕の事実が知らされ、その後に西宮市内のグラウンドで約2時間の練習を行った。岩嶋敬一野球部長は「野球部といたしましても、重大に受け止めています。被害を受けた方にも深くおわび申し上げたい」と神妙な面持ちで語った。

 ▽作新学院 1885年(明18)創立の私立校。野球部は春夏合わせて17回、甲子園に出場。62年には春夏連覇を達成。ロンドン五輪競泳男子400メートル個人メドレーで銅メダルを獲得した萩野公介は同校の3年生。生徒数3808人(女子は1590人)。

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