武田 マー君と互角投げ合いも「ビシッといきたかった」

[ 2012年8月13日 06:00 ]

<ソ・楽>楽天・田中の投球を見つめるソフトバンク・武田

パ・リーグ ソフトバンク3-3楽天

(8月12日 ヤフーD)
 日本球界のエースと互角以上に渡り合った。ソフトバンクのルーキー武田翔太投手(19)は12日の楽天戦に先発し、5回0/32安打1失点の好投を見せた。9回に守護神・森福允彦投手(26)が2点リードを追いつかれ、66年の堀内恒夫(巨人)以来、46年ぶりとなる高卒新人のデビューから先発での4連勝は次戦に持ち越された。それでも田中将大投手(23)に一歩も引かない投手戦を演じた。

 勝ち投手の権利を得ながら、白星には届かなかった。武田は試合後、代名詞と言えるスマイルを封印し、唇をかみしめた。

 「もっとビシっといきたかったです。きょうは気持ちが弱かったし、自分の投球は良くなかった。次に生かしたい」。2―1で迎えた6回、先頭打者を遊撃・今宮の失策で出塁させ、102球で降板。首脳陣から100球前後の球数制限を設定される中で最少失点で切り抜けた。投げ合った相手は田中。球界のエースとの初対決にも19歳右腕は全く動じなかった。

 失敗を引きずらないのが強さだ。4回無死一塁で銀次のバントを処理。高谷の指示は一塁だったが、自己判断で二塁へ投げセーフ(記録は野選)にした。ピンチを広げ、フェルナンデスに同点打を許し「いけると思ったけど余計な賭けはしなければよかった」と悔いた。だが、ここからが並のルーキーとは違う。河田への四球で無死満塁とされたが、牧田を三ゴロ、稲田は二ゴロ併殺打に仕留めた。「満塁は好き。足を上げて投げられるから」。絶体絶命のピンチとは思わない。クイック投球の必要のない場面で威力のある球を投げ込むところが末恐ろしい。

 「(野選の)状況判断とかはこれからだね。ただ、満塁を抑えたのは自信になるだろうね」と秋山監督。ダルビッシュ(レンジャーズ)が抜けたパ・リーグだが、この日、新たな「名勝負」と呼ばれる可能性を秘めた対決が、産声を上げた。

 ▼ソフトバンク・森福(9回に2点リードを守れず救援失敗)気持ちの部分だということは分かっています。

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2012年8月13日のニュース